人間が考えるものに完全なものはありません。そこには必ず見落としや思い込みが潜んでいます。第23回【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意は、アイデア精査10のポイントの後半5つについてご紹介します。
前回、新しいビジネスアイデアに関するチェックポイント10個のうち、5つについてご紹介しました。今回は、引き続き、残りの5つについて簡単にご紹介しましょう。
アイデアを精査するポイントには、次のような10のポイントがありました。
今回は、⑥の「継続可能性」からです。
6.継続可能性
文字通り、そのビジネスが継続できるかどうか、です。
継続できるかどうかの要素には、財務、需要、体制の3つがあります。
1) 財務
前回ご紹介した「収益性」では、一回もしくは一定期間中の収益が十分かどうかでした。
このポイントで問うのは、「投資回収」の観点です。
一般的なビジネスの場合、必ずイニシャルコストが発生します。
いわゆる投下資金をどのくらいの期間で回収できるのか、です。
この期間があまりにも長すぎると、当然ですがビジネスの継続そのものが怪しくなる恐れがあります。(投資回収については別途ご紹介します)
2) 需要
前回ご紹介した「需要実在性」の延長に存在するもので、その需要自体が続くのかどうか、です。
残念ながら、期限付きの需要は間違いなく存在します。例えば、最近の例なら「マスク」や「アルコール」などがまさにそれです。一巡してしまうと、もうそれ以上の売り上げは期待できません。
3)体制
アイデアを実現するためには、必ずそのビジネスを支えるための「体制」が欠かせません。
例えば、現在ならAIに関する開発など属人性の高いビジネスの場合、その人材確保が継続性のカギを握ります。
7.代替可能性
利用者(顧客)の視点は、必ずしも提供側とイコールではありません。自身(自社)が抱える問題が解決するのであれば、利用者からすればどこの製品でもどのサービスでも構わないのです。
なお、注意したいのが、必ずしも同じ業界に代替製品が存在するとは限らない点です。
例えば、ゲーム。今やPS一強の世界ですが、これはあくまで家庭用ゲーム機に区切った話です。範囲を「余暇」まで広げると、当然のようにさまざまな代替品が立ち上がってくるのがわかります。
8.必需品乖離
必需品といえば旧来なら衣食住ですが、今ではここにスマホやインターネット、YouTubeなども加わっています。
必需品乖離とは、新しいビジネスで想定されている商品やサービスが、それら日常生活に欠かせないものからどのくらい離れているかを意味しています。
当然のことですが、必需品から離れれば離れるほど、需要の濃度は低下し、継続性も弱くなりやすいことは明らかです。
例えば、歯ブラシや歯磨き粉は必需品ですが、電動歯ブラシとなると少し距離が離れ、必ずしも必要とは限りません。つまり、それだけ安定性が減少する恐れがあるのです。