2.争点
本件各年分の不動産所得の金額はいくらか(その他の争点は省略)
3.請求人の主張
- ●本件損害金及び本件遅延金について
本件各土地に関する訴訟は、平成17年に起こった事件についてのものであり、既に10年以上も経過しているものであるから、請求人が時効を主張するまでもなく、本件損害金及び本件遅延金について課税することはできない。また、判決に基づく金銭の授受については非課税となるから、この点からも、本件損害金及び本件遅延金について課税することはできないというべきである。
4.審判所の判断
(1)本件損害金について
所得税法は権利確定主義を採用しており、収入の原因となる権利が確定する時期はそれぞれの権利の特質を考慮し決定されるべきものである。
そして、本件損害金は、Gらの不法行為に基づく損害賠償金であるところ、Gらに本件損害金の支払を命じる本件判決が確定するまでは、その権利の有無を正確に判断することは困難であり、請求人に本件損害金に関し確定申告及び納税を強いることは相当でなく、課税庁が独自の立場でその認定をすることも相当ではないと考えられる。したがって、本件損害金は、本件判決が確定した平成25年に、判決の確定をもって収入の原因となる権利が確定したと解するのが相当である。
(2)本件遅延金について
本件遅延金は、その元本が弁済されるまで日々発生し、発生と同時に弁済期日が到来するところ、本件遅延金のうち、本件判決確定の日までの遅延損害金については、本件損害金と同様に、本件判決の確定をもって収入の原因となる権利が確定したというべきであるから、同日をもって収入すべき時期とし、本件判決確定の日の翌日以降の遅延損害金については、日々発生すると同時に確定するというべきであるから、当該遅延損害金の発生の日をもって収入すべき時期とするのが相当である。
(3)請求人の主張について
請求人は、本件各土地に関する訴訟は、平成17年に起こった事件についてのものであり、既に10年以上も経過しているものであるから、課税することはできない旨、判決に基づく金銭の授受については非課税となるから本件損害金及び本件遅延金について課税することはできない旨主張する。
しかしながら、所得税法は、権利確定主義を採用しており、本件損害金については、本件判決の確定をもって、収入の原因となる権利が確定したと解するのが相当であり、平成25年分において課税されるべきものであるから、時の経過を理由に課税されないとする請求人の主張は採用することができない。また、判決に基づく金銭の授受が非課税になると解釈する法令上の根拠はなく、請求人の主張は独自の見解を述べるものにすぎず、採用することができない。



