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国税庁 テレワークで会社が負担する電気代、通信費等に関する税務処理示す

国税庁は1月15日、会社がテレワークのための費用負担した場合の税務上の取扱いを示した。通勤手当は現在、非課税措置が取られており、上限15万円までなら課税されないが、交通費の代わりに「在宅勤務手当」などを一律支給したら、給与と見なされ所得税がかかるケースもある。給与明細を見たとき、額面は変わらなくとも、手取り額が変わってくることもあるため、手当の支給方法は要チェックだ。

テレワークの推進を税務上からサポートするため、国税庁から「在宅勤務に係る費用負担等に関するFAQ」(源泉所得税関係)が発表された。

従業員が自宅で仕事をするとなると、通信費や電気料金などの費用もかかる。そのため、会社がこれらテレワークに関する諸経費を負担するケースが増えているわけだが、国税庁では、FAQで「在宅勤務に通常必要な費用の実費相当額を精算する場合には、従業員に支給した手当については給与課税されない」とした。要は「実費精算」であるか否かがポイントといわけだ。たとえば、交通費の支給を辞め、その代わりに社員に毎月1万円など一定額を渡し切りで支給し、従業員が在宅勤務に必要な費用として使用しなかったとしても企業に返還する必要がない場合には、「実費精算」には当たらないため従業員への給与として課税される。
また、会社がテレワークで必要な事務用品等を支給した場合、基本的には、企業が所有する事務用品等を従業員に「貸与」するだけなら、従業員に対する給与にならず、課税されない。しかし、事務用品等の所有権が従業員へ移転してしまうと、従業員に対して現物の給与として所得税の課税対象となる。

この「貸与」については、例えば、企業がテレワーク用に事務用品等を「支給」という形で配付し、その配付を受けた事務用品等を従業員が自由に処分できず、業務に使用しなくなったときは返却するという形態も「貸与」とみなされ、給与課税の対象とはならないとされた。

テレワークに要した費用を会社が負担する場合、「実費精算」するに際しては、以下のような方法で計算する。

  • ①企業が従業員に対して金銭を仮払いした後、従業員が事務用品等を購入し、その領収証などを企業に提出してその購入費用を精算する方法
  • ②従業員が立替払いにより事務用品等を購入した後、領収証などを企業に提出してその購入費用を精算する方法

通信費や電気料金の場合には、通常、私的利用の部分と業務利用の部分が混在するため、業務のために使用した部分を合理的に計算し、その計算された金額に基づいて精算する。

具体的には、従業員が負担した通信費や電気料金については、業務のために使用した部分を合理的に計算。この業務使用部分の計算方法についてFAQでは、電話料金のうち、「通話料」については、通話明細書等で業務のための通話料金が確認できるため、その金額を企業が負担する分には、従業員に対する給与として課税されることはない。

一方、電話料金の基本使用料やインターネット接続に係る通信料については、次の算式で算出したものを企業が負担する場合には、給与として課税しなくてよいとされた。

なお、業務のための通話を頻繁に行うような場合には、通話料についても、次の算式により業務利用分を計算する。

つまり、月額料金を日割り計算し、在宅勤務の日数分の「半額」を業務のために利用した実費とみなすというもの。

例えば、従業員が3月に在宅勤務を20日間行い、通信料等の月額料金1万円であった場合、業務利用部分は次のように計算される。

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