「第一世代」は地方の雄 

そうなると思い浮かぶ名前が、佐藤澄男(税理士)先生だ。佐藤先生は、本郷先生や山田先生が若かりし頃に大規模事務所を築いていた名南会計グループ(名古屋)の創業者。職員数や顧問先数など、独立系の会計事務所としては飛ぶ鳥を落とす勢い。その佐藤先生の後輩として近畿地方の雄として拡大していたのが、株式会社日本経営(大阪)の創業者である菱村和彦税理士。そして北海の雄といえば税理士法人池脇会計事務所(北海道)の池脇故池脇昭二税理士。また、東海地方の雄にYMG林会計事務所(横浜)の創業者である故林勝彦税理士、北陸の雄としてソリマチ会計(新潟県)の創業者である故反町秀司税理士等がいた。事務所を開業した年代が1960年代後半で、TKC全国会の創始者である故飯塚毅公認会計士・税理士に薫陶を受け、会計事務所業界の一時代を築いた大先生方だ。

“会計事務所の大型化”がキーワードなら、やはりこの世代を「第一世代」と位置付けたい。

税理士法改正が大規模化を加速

現在の税理士制度は、昭和26年の税理士法制定から始まるが、税理士の使命や職責などが明確化されたのは同55年の税理士法改正。ここから、いわゆる個人商店的な事務所経営からスーパーや百貨店型の事務所経営の流れが加速。税理士業界の一つの波になっていく。

KaikeiiZineが「第一世代」と位置付ける先生方は、ここから大規模事務所構築に向け、歴史を作り出す。このころの大規模事務所の特徴は、大規模事務所は地方に多かった。創業者は、地方経済を支える実力者であり、地域の経済界に入り込んでいた。当時の税理士法では、税理士事務所は法人化することができず、個人事業主として運営し、一身専属制。そのため、大規模化しにくい環境にあった。その環境を跳ね除け、大規模化に成功した世代なのだ。

このほか、「第一世代」には、医療経営コンサルティングの雄である川原会計グループ(東京)の創業者の故川原邦彦税理士等が名を連ねると思う。故川原先生は、医療経営に特化したメディカル・マネジメント・プランニング・グループ(MMPG)を創設、病院やクリニックなどに関与を広げる会計事務所の勉強会組織を基盤に、業界に大きな波を起こした。

こうした先人たちの活躍で、職員数50~100人規模の大型会計事務所が構築されるなか、平成13年に税理士法が大きく見直され、税理士法人化及び広告規制や報酬規制の撤廃など、自由化の波が押し寄せてきた。