何時かはターゲットなると思っていたが、ついに始まったUberEATS(ウーバーイーツ)配達員への税務調査。東京国税局は、飲食宅配サービス大手Uber Japan株式会社(東京)に対し、配達員への報酬などについての情報提供を求めたとのこと。国税庁では、2019年6月、シェアリングエコノミー等に対する調査に力を入れていくことを発表し、準備を進めてきた。配達員の中には、確定申告が必要な人も少なくなく、東京局のみならず全国的な動きになりそうだ。
UberEAETS配達員は、配達した分だけ報酬が増えるので、効率よく配達できる上級者は、月に50万円超を稼ぐという。初心者では、副業でコツコツ稼ぎ、月10万円を目指すサラリーマンも増えているそうだ。
2020年は、新型コロナウイルスの感染が広がる中、需要は増え、配達員は全国で約10万人に。契約上は個人事業主の扱いとなり、確定申告が必要なケースも少なくない。そこで、国税当局では無申告者の洗い出しを進めていた。
UberEAETSのサービスは、36都道府県で利用でき、登録店舗は現在10万店。5年前が約150店だったことから、約670倍にまで急拡大した。
配達員を雇用するのではなく、個人事業主として契約を結ぶ。副業で配達員をしている場合、年間所得が20万円を超えると、確定申告をしなければならない。
東京国税局では、Uber Japanに対して、「配達員の住所氏名」「2019年の取引額(報酬額)」「銀行口座」などの情報提供を求めたという。
UberEAETS配達員は契約上、個人事業主扱いとなり、基本的には確定申告などが必要になる。
所得の計算方法は、「総収入金額-必要経費」で、働き方や目的によって「事業所得」か「雑所得」のどちらかになる。事業所得は、給与所得との「損益通算」が可能なため、副業で赤字が出た場合は、所得税などの税負担を抑えられる。税務署では、副収入が雑所得と事業所得のいずれに該当するか、実情に合わせて判断する。「事業所得」になるのは、配達員の仕事が本業や生活費を稼ぐ目的の場合。一方、配達収入が小遣い稼ぎの程度なら雑所得になる。基本的に、サラリーマンをしながら、副業で空いた時間に数時間程度働くなら、雑所得になる可能性が高くなる。
ちなみに最高裁判例では、次のように事業所得と給与所得を定義している。「事業所得とは、自己の計算と危険において独立して営まれ、営利性、有償性を有し、かつ反復継続して遂行する意思と社会的地位とが客観的に認められる業務から生ずる所得をいう。給与所得とは、雇用契約又はこれに類する原因に基づき使用者の指揮命令に服して提供した労務の対価として使用者から受ける給付をいう」。