公認会計士のキャリアプランとして独立開業というものがあるが、監査法人を経て未経験で税務のサービスを行うにはハードルが高く、また転職をするにしても年収が下がってしまう可能性もあり二の足を踏むケースがある。そんな現状の中、公認会計士として年収を落とさず、税務の経験もできるのが税理士法人みなと東京会計だ。代表者が5名在籍しており、そして全員公認会計士で構成されているのが特徴である同法人。中でも今回のゲストである貝沼氏は監査法人を経て、エステティシャンに転身。照井氏は会計事務所で独立を経て、2019年に同法人に加わっている。今回は、おふたりのこれまでのキャリアそして、みなと東京会計の魅力に迫ります。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 市川)
独立会計士×元・エステティシャン会計士が、税理士法人の代表になるまで
お二人のキャリアを教えて下さい。
照井:大学卒業後、2006年に有限責任監査法人トーマツに入所をしました。IPOに興味があったので、これから上場するベンチャー企業への監査を行っている部署に配属をされました。
仕事自体はとても面白かったのですが、次第に今後のキャリアも考えるようになって、独立をしてチャレンジしたいなぁと思うようになっていきました。そんなときに社内で早期退職を募集することになったので、思い切って手を挙げました。2011年9月のことです。
そして、そこから独立をして8年間個人事務所を運営していました。主に中小企業の会計財務サービスを行っており、従業員も数名雇用していました。個人的には特に不満もなく、楽しくやっていたのですが、2019年5月のある日、トーマツの同期だった貝沼さんから一本の電話をいただきました。
貝沼:私も大学卒業後、有限責任監査法人トーマツに入所をしました。自由な、堅くない雰囲気がよかったのですが、1年で退職をしました。私のやりたかったことは大手監査法人としての監査ではなく、中小企業に寄り添った仕事だと気づいてしまったんですよね。
しかし、監査法人のあとは実はエステティシャンをしています(笑)。
元々、大学生の頃からエステ店でアルバイトをしていました。監査法人を退所したあとにエステの会社を起業したいという方と出逢う機会があったので、一緒に会社を起こしたあとの勉強も兼ねてエステ店に勤めていたのです。
しかし、せっかく取得をした公認会計士の資格も活かしたいと思いもありました。そして、公認会計士の登録のための2年の実務経験には1年足りません。やはり会計事務所に勤めようと思って登(のぼる)会計に入所をしました。
登さんは、公認会計士で現在みなと東京会計の代表を一緒にやっています。監査と税務が両方できる事務所だったのが魅力でした。そこで数年経験を積み、次第に私自身でお客様も増やしていけると思うようになりました。そこで、登に独立をしたいと伝えたところ「それなら二人で作ろうか」となって法人化したのが、みなと東京会計です。
税理士法人化のメリットについて
その後、照井様が合流されています。
貝沼:照井さんが来る前までは公認会計士は私を含め4人でした。弊社の特徴をしては税理士法人としてそれぞれ税務の仕事もするけれど、監査法人の役員やコンサルティング、起業など会計士としての仕事も行っています。それは、自由だし公認会計士として培ってきたスキルを活かせるので、メリットでもある分、税理士法人に対しての方向性や価値観も統一化できないことにも繋がります。
登さんは、私より一回り以上年上でキャリアも長く、顧客も安定していたのですが、私は、まだまだ新規のご依頼も増やさなければいけない段階。税理士法人の代表としてもどんどんチャレンジをしていきたかったのです。しかし、一人だとできることにも限界があるので、もう一人自分と同じようなスタンスで仕事をする人がいてくれたらと思っていました。
誰に声をかけようかと考え、最初に連絡したのが照井さんでした。
照井さんとは、トーマツの同期でもあったのですが、当時はそこまで交流が多かったわけではなく、照井さんの奥様と私も同期だった関係で繋がっていました。
最初に電話をしたときは、とても驚いていましたね(笑)
照井:お話をいただいた当時は、たしかに驚きました(笑)。ただ、みなと東京会計の方とはお会いしたこともあって、自由な雰囲気は伝わっていました。だからメリットはあってもデメリットはないと思えたので、自分の今のクライアントや二人の従業員を引き連れて、加わることになりました。
個人的な変化はそこまでないかなと思っていたのですが、周りに勉強する人や優秀な人がいるので刺激になり、今までよりもっと勉強するようになりましたね
あとは、誰かと一緒に法人として仕事をするというのは安心感もあるなと思いました。
というのも私の得意分野の一つが、海外に輸出しているeBay(イーベイ)の確定申告です。海外のヤフオクのようなECサイトがあり、そこが絡んだ税務になるのでニッチな分野になります。
今までは、私が監査業務で不在にしている間、顧客からの質問に対してスタッフが対応できるかと心配になることもありましたが、現在はほかに相談できる有資格者がいるのでその点は安心できます。
公認会計士のスキルを活かしながら税務の経験を積んでいく
貴社では代表社員それぞれが独立をして働いていると伺っています。その魅力を教えていただけますでしょうか。
貝沼:現在、照井さんと私を含む5人がみなと東京会計の代表で、それぞれ監査法人の役員として監査の仕事もして、みなと東京会計では税務を担当しています。監査でも税務でもない、株価の評価やコンサルはそれぞれの会計事務所として業務を請け負っています。
通常は、公認会計士が監査法人から独立すると、税務の経験もないのでどこかで修行しなければいけませんよね。しかも会計士として取り組んできた監査から離れてしまうのも、もったいないような気がします。その点、みなと東京会計でしたら、今までやってきた監査の勉強も続けつつ、税務の知識もキャッチアップできます。税務が分かっていると地に足のついたサービスをお客様に提供できますが、税務一本では単価がどうしても低くなります。しかし公認会計士としてのキャリアを伸ばす中で、税金を知っているのは強みです。そのあと独立をしたときにも色々な間口が広がりますよね。
照井:私も貝沼さんも監査法人から独立をして現在に至ります。もちろん雇われていた立場からなにも後ろ盾がなくなり、自分の力でやっていくのは責任もありますし、不安になることもあります。みなと東京会計では、独立をしながら周囲に頼れる環境があるので安心ですね。
もちろん、頼ることもあれば頼られることもあると思います。弊所のような働き方は、それぞれが自立しているから成り立つもの。私自身、ほかのスタッフからも頼られるようさらに勉強していきたいと思っています。
【編集後記】
実は、お会いする前は代表が5名いらっしゃるとのことで、不思議に思っていましたが、お話を聞いてその理由に納得しました…!貝沼先生、照井先生ありがとうございました!
税理士法人 みなと東京会計
●創業
2011年
●所在地
【新橋オフィス】東京都港区西新橋3丁目5-2西新橋第一法規ビル3階
【渋谷オフィス】東京都渋谷区渋谷1-12-2クロスオフィス渋谷509
●理念
ワンストップサービスの提供で中小企業に寄り添う
●企業URL
http://www.total-consul.jp/