国税当局はシェアリングエコノミーを研究
国税庁は2019年6月、ウーバーイーツなどネットを介してサービスを共有する「シェアリングエコノミー」についても調査や周知に注力すると発表していた。
シェアリングエコノミー協会(東京都)によると、20年度の市場規模は約2兆1千億円だったが、コロナ禍で在宅時間が長くなり、新たに始める人も増えていることなどから、約10年後には14兆円超にまで拡大するとみられている。こうした取引は個人間で行われることが多く、課税漏れが大きな課題となっていた。
国税庁は、令和元事務年度(19年7月~20年6月)にシェアリングエコノミーで収入を得た人が所得税を正しく申告しているかを調査するため、200人規模のプロジェクトチームを設置。全国12の国税局と事務所で約1400件の所得を調べたところ、計約174億円の申告漏れが明らかとなり、追徴税額は計約39億円に上ったという。
国税当局では、特殊なシステムを活用してネット上での取引実態を把握しており、税務調査を本格化させる構えだ。特に、コロナ禍で経済が悪化する中で、稼いでいるのに無申告という課税の公平性を保つため、アフターコロナは積極的に調査をしていくことが見込まれている。
国税庁が言う代表的なシェアリングエコノミー等とは、以下の業種だ。
- ・デジタル・コンテンツの配信・利⽤
- ・ネット通販・ネットオークション
- ・暗号資産(仮想通貨)取引
- ・インターネット広告(アフィリエイト等)
- ・インターネット上のプラットフォーマーを介した売買
- ・シェアリングビジネス・サービス
国税当局の調査能力、とりわけ情報収集能力は、国内のあらゆる機関の中でトップクラスだ。無申告の場合、無申告加算税や重加算税、延滞税など、税のペナルティーも想定される。
新たな働き方として本業のほか副業をやる場合や、事業者としてやる場合でも、稼げば税金が発生することは肝に銘じておく必要がある。
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