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人気YouTuberヒロ☆税理士が考える組織創りと長期的に活躍できる人材育成とは【ヒロ総合会計事務所 田淵宏明氏】

今回ご紹介する実力派会計人は、中小企業の社長やフリーランス向けにYouTubeを配信し、現在22万人以上の登録者を誇るヒロ☆税理士こと田淵宏明氏。ひとり社長が気になる税務に関する情報を動画内で解説。専門学校での講師経験を活かした話しぶりや、時に熱く語る”教壇に立つ教師”のようなその姿に、彼の動画を頼りにしている視聴者も多く、士業Youtuberにおいて一位二位の人気を争うのも納得の結果だ。そんな田淵氏も本業は税理士として現在14名のスタッフを率いる経営者。集客は得意だったが採用で過去には苦い経験も持つと話す田淵氏のこれまでのキャリア、そして現在の組織において大切にしていることについて話を伺った。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 市川・小林)

父の失業をきっかけに税理士の道を志す

税理士を目指したきっかけを教えてください。

田淵:私が大学生のころ、塾講師だった父が失業してしまったのがきっかけです。その出来事もあり、自分は誰かに雇われるサラリーマンではなく、資格を取得し手に職をつけて仕事をしようと思うようになりました。税理士を選んだのは当時、経済学部だったことと、アルバイトと両立をしながら積み上げ式で取得が目指せると思ったからです。

勉強を開始されて間もなく会計事務所でアルバイトをされています。

田淵:偶然成人式で再会した友人がいたのですが、実は彼のお父さんが税理士で、そのご縁で会計事務所で働くようになりました。はじめは、仕訳や会計ソフトを使った入力など経理の補助をしていたのですが、実際に実務を経験することで、これまで机上で得た知識を活かせることができたので、面白かったですね。大学を卒業してから1年半は就職せず勉強に専念して、4科目を取得した段階で、その会計事務所にてアルバイトから正式に正社員となり、仕事をしながら残り1科目を取得しました。

その事務所で正社員として勤務をしてからは2年間お世話になったのですが、中小企業の経営者が主なお客様でした。個性があって人間味に溢れていて、私のことをとても頼りにしてくれていました。24,5歳の自分を子供のように可愛がってくれた社長もいて、食事にもよく連れて行っていただきました。社会人経験がほとんどない私に会社の財務事情を赤裸々に明かしてくれて、さらに夢を語ってくれる。そんな熱心に経営をする彼らを見て、次第に私も大きな世界で挑戦をして成長していきたいという気持ちになりました。

また私は英語が得意分野でもあったのですが、英語を使える大手税理士法人という中で、ご縁がありEY税理士法人に転職をすることになりました。2002年のときのことです。

大手ならではの税務のシビアさを学び、そして独立へ

ここでは、どのような業務をされていましたか。

田淵:国際税務部に配属をされ、系列の監査法人所属の公認会計士のチームと一緒に動いていたのですが、国境をまたぐ取引をする際に発生する税金についてアドバイスする業務を行っていました。例えばある国内の外資系企業のお客様の案件なのですが、海外の親会社からお金を借りて、それを本国に返済する際、利息から源泉徴収しないといけないのですが、租税条約を適用することにより免除になる、といったマニアックなアドバイス等もやっていました。もちろん、メインは外資系企業等の申告業務でしたが。

ここで勉強になったのは、税務をシビアに考えないといけないということでした。例えば申告書を作るにしても数字の根拠をまとめるのですが、この数字がどこから来ているのかを、”4ページのAの5番の数字からきている”とリファレンスを付けなければならない。つまりマニュアルがしっかり作られるのです。取り扱う金額も桁違いで、その大きさから責任の重さも感じていました。

一人一冊ずつ税務六法と手引きを与えられるのですが、それだけ根拠を引いて持ってきなさいということです。そういった税務に対するシビアな取り組み方は今の事務所の運営やマニュアル作りに活かしています。

その後、29歳で独立をされています。

田淵:仕事は面白くて、職場も大阪の街並みが臨めるような高層ビルでしたので華やかで、充実した日々でした。一方で、お客様はあくまで社長ではなく経理担当という位置づけになるので、当然ながら事業への熱意は中小企業の社長と対峙していたときのほうが感じていました。

数年、経験をしてみて、自分はやはり中小企業のサポートがしたいのだと気付きました。ほかの事務所に転職をするかも考えたのですが、2つの会計事務所での経験を踏まえて、自分だったらこういうサポートがしたいというビジョンも見えてきました。

具体的には、試算表しか渡さないといったことではなく、もう少し詳しい資料を作って渡すなどお客様に寄り添ってサポートをすることです。確定申告業務だと通常は所得税の話しかしないのですが、住民税や事業税の話までワンセットで伝えたりなど節税のアドバイスも提案型の姿勢でこまめに行っていきたいと思っていました。

それなら思い切って、自分の事務所を立ち上げようと思い、29歳のときに独立をしました。

独立して16年経ちますが、ターニングポイントになったできごとはありますか。

田淵:最初の2年間は専門学校の講師をしながら1人でやっていて、その後は人材を採用して業容拡大をしていきました。私は集客やマーケティングは大得意なのですが、集客をし過ぎてしまって採用が追いつかず、ある時期に、5人くらいが立て続けに退職してしまったことがありました。

当時を振り返ると、力任せの集客は間違っていたと思います。さらに私のポリシーはただ数字を伝えるのではなく、顧客にとって必要なサービスであればとことん対応していくというもの。何振り構わず拡大をしていくことは、結果自分の首をしめることに気が付きました。

また、採用に関していえば、当時は人材を一から育てるのではなく即戦力になる経験者だけを採用していました。これも、経験者だからといって一概に全員が活躍できるわけではないことも分かりました。能力が高いだけではその従業員は定着しません。

その方の性質や、事務所の方向性に合っているか、また将来どのようなキャリアを歩んでいきたいのか、それはこの事務所で叶うことができるかなど、様々な要素が合わさって、はじめて定着に繋がります。

そこから新卒や若手の採用を意識するようになりました。現在、職員は14名ほどですがここまで来るのにだいぶ時間がかかってしまいました。

現在、教育体制にも力を入れていると伺っています。

田淵:月一回の全体研修や、名南経営ソリューションズのMykomonシステム内にある動画研修を受けられるようにするなど、スキルアップできるような環境を整えています。あとは新規開拓や生命保険や不動産等の仲介業務、税務調査など普段の業務とは別の仕事をした際にはインセンティブを付与しています。また、マニュアルをしっかり作ったり、ファイリングの仕方を揃えたりして、スタッフの指針になるものを整備していますよ。

そういった取り組みをしながら昨年は離職者が一人も出ませんでした。居心地の良い事務所に変わってきているように思います。

今後の展望-組織を拡大させ、東京進出へ

今後組織をどのようにしていかれたいですか?

田淵:現在、当会計事務所は試験勉強中の若手スタッフもいます。若いうちは実務を積むことで得られるものもありますが、税理士試験の勉強をする時間がないとなると本末転倒です。私自身も一度陥ったのですが、経営者は新規顧客を増やし売り上げをあげていくことに目が向きがちです。しかし、スタッフを疲弊させて退職をされてしまっては、一時的な売り上げは上がっても、”組織の拡大”には結びつきません。

多少、契約終了になっても、単価を上げていくべきだと考えます。その分、顧客が成長するために注力し、利益を出していければ値上げしたとしても顧客が離れることはありません。

定着率を上げ、組織を拡大していき、20名から30名体制にしていきたいと思っています。現在の当会計事務所の立ち位置は規模の大きな個人事業なので、そろそろ税理士法人にもしていきたいです。

そして、もう一つは東京進出。やはりYouTubeで動画配信をしている影響もあり、東京からのニーズを多くいただきます。しかし私が担当できないので、そこをどうクリアするのか考えないといけません。実際には、現在東京のお客様と大阪の事務所をZoomで繋いで月次の顧問契約を開始しているのですが、東京で事務所を構えるのは1つの目標でもありますね。

今後、どんな人材と一緒に働きたいと考えていますか?

田淵:お客様の懐に入っていけるような方と一緒に仕事をしたいと思っています。特別な能力はむしろいらなく、仕事上で大事なことは、素直に相手の話が聞けて共感できるかどうかです。

マニュアルも品質保持のためには必要なものなのですが、そのマニュアルをさらに超えていかなくてはなりません。お客様にとって本当にいいアドバイスができるプロになる。そのためにはお客様の会社やその業界のことを深く知ることも必要です。

そして深く知るには時間が必要になります。ですから、顧客をどんどん増やすのではなく1社1社大事に向き合うべきだと思うのです。

事務所の利益率を上げ、私たちも共に成長していくこと。良い連鎖反応が起こるような関係性を築きあげていくことが大切だと考えています。

 

【編集後記】

今回、田淵代表は大阪にいらっしゃるためオンラインで取材をさせていただきました。東京進出の目標があるとのことで、いつの日か直接お会いできる日を楽しみにしております!田淵先生ありがとうございました!

ヒロ総合会計事務所/田淵宏明税理士事務所

●設立

平成17年6月29日

●所在地

大阪市北区中崎西2-2-1 東梅田八千代ビル10F

●理念

私たちは元気で強い会社づくりの専門家集団として成長志向の企業様の目標達成・夢の実現を全力でサポートします!

●企業URL

https://www.hiro-tax.com/

 

著者: KaikeiZine編集部

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