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税理士の仕事は楽しい!開業税理士が伝える独立成功のポイント【税理士・有明由樹氏】

今回の実力派会計人は、税理士・有明由樹氏。世界のファッションブランドが集う表参道の地に独立をして5年。現在は個人の方から上場企業まで幅広く税務サービスを行っているが、これまで営業活動は一切行わず、顧客や友人からのご紹介のみで顧問先を増やしていったと話す。税理士が独立を成功させるためには何よりコミュニケーションが大切だと語る有明氏に、その秘訣とこれまでのキャリアを伺った。(取材・撮影:レックスアドバイザーズ 市川)

お菓子屋さんから税理士にキャリアチェンジをした父の背中を追って

税理士を志したきっかけを教えてください。

有明:実家は秋田県大仙市にあるお菓子屋だったのですが、郊外に大型スーパーができて売れ行きも悪くなり、父はお菓子屋の経営をしながら税理士の資格を取りました。そして父から「あの先生は、毎日ゴルフに行っている」とか「接待で、たくさん飲みに行っている」といった周りの知り合いの税理士の話を聞いて、中学生の私は税理士という職業が何をやっているか一切わかりませんでしたが「もしかして仕事をそんなにせずに稼げる、なんかすごい神的な仕事かも!?」と思いました。実際はそんなに甘くなかったですけどね(笑)。だから税理士を志した最初のきっかけは、正直「経営者と共に成長できる」とか高尚な話ではありません。

しかし、私が税理士を目指すきっかけとなった父はクライアントととても仲が良くて、いつも楽しそうでした。クライアント先の飼い犬が出産をしたので、その子犬をもらってきたりとかとにかくお客様と仲が良かったですね。

そんな父や周囲の人たちを見ているうちに自然と私も税理士を目指すようになっていき、大学進学の時に上京。大学卒業後は、東京都・港区にあるアクタス税理士法人に入所をしました。ここでは独立するまでの9年間お世話になったのですが、社会人になるまで順風満帆でした。しかし、1年目で挫折を経験します。

人の会話が理解できない…。入所1年目で感じた壁

有明:大学卒業後は東京都・港区にあるアクタス税理士法人に入所をしました。入所してすぐ、先輩とお客様のところに伺ったのですが、そこで話されている会話が全く理解できないことに衝撃を受けました。それまでの人生で、会話の内容が全く分からないなんて経験したこともありません。落ち込む私に先輩は「みんな通る道だよ」と声をかけてくれました。分からなかった部分は丁寧に教えてもらいましたが、自分の知識不足を痛感させられた瞬間でした。

また、2年目、3年目の頃、会計処理を認識間違いしてミスをしてしまって、そのときに先輩が助けてくれたことも印象に残っています。ちょうど社内のクリスマスイベントがあって、他の皆が行っている中、担当の先輩だけが怒らずにずっと付いて、黙々と対応してくれました。

面倒見の良い先輩方がたくさんいる環境で、私自身も困っていそうな後輩がいたら積極的に声をかけることを意識しました。周囲の小さな変化や声に気づき動くようにするスキルは、独立した今でも役に立っていると思います。

開業税理士のメリット・デメリット

独立して5年。事務所運営にあたり工夫されていることなどありますか。

有明:よくその事務所の特色をつけるために何かに特化していることを打ち出した方がいいとは思うのですが、私はいろんな方と出会い、いろんな業務を行い知識・経験の幅を広げたいという思いがあります。そのため個人から法人まで幅広く、何かに特化せずオールマイティにやっています。しいていうのであれば、なるべく税理士っぽさを出さないようにしています。税理士って聞くとだいたいの方が身構えてしまうので、あえてラフな格好にしたりなど親しみやすさが出るよう工夫をしています。「税理士ぽくないね」と言われるのが誉め言葉ですね(笑) もちろんビシッとスーツも着ますよ。

独立してみてよかったことは、自分に100%決定権があるので、自己判断がすぐできることですね。独立前はサラリーマンなので、やってみなさいとは言ってくれますが、上司の承認は必要です。その承認がなくなったことは自由になる分、責任もあります。正直、私も独立した最初の一カ月は、まだ何か仕事が残っているんじゃないかと思って、帰るのが怖かったんですよ。

あと大変なのは、一人でやっているので、キャパオーバーになったときの替えがきかないことと、最新の情報を自分がしっかりとキャッチできているかの確認ができないこと。勤務時代はオフィスに出勤するだけで人がいて、情報も入ってきて、すぐに相談できたりピンチのときに助けてもらったりしていたのですが、独立をするとそういうわけにはいきません。なので、むしろ独立してから周囲との絆を大切にするようになりました。

仕事のオン・オフの境目を越え、顧客と向き合う

独立をする上でのポイントを教えて下さい。

有明: 恋愛にも通じるかもしれませんが(笑)、相手の話をきちんと聞くことが大切だと思っています。相手が「自分に興味を持ってくれている」という雰囲気を出すことが大事です。ベタなことですが、相手の顔を見るとか、ミラーリング(身振りやしぐさ・表情、声のトーンや話すスピードなどを相手に合わせること)も意識しています。

ただ人と話すのが苦手だとこういったこともなかなか難しいですよね。クライアントが話すのが苦手な方であるケースもあったりするので。私は「花火鑑賞士」という資格を取得しているのですが、話のネタに困らないよう名刺に記載をしています。

そうすると、クライアントのほうから「これってなんですか?」と聞かれることも多いので、そこで地元トークに繋がります。

こうして私自身、プライベートの話にも繋がるように意識をしています。プライベートの話については嫌がる方もいると思うので、当然その部分は相手によって判断しますが、プライベートな話ができれば、その方と自然と仲良くなれますよね。

良い意味で”仕事のオン・オフの境目を越える”というのは意識しています。これは自分の時間を削って、寝ずに働くとかそういう意味ではなく、ビジネスのみの関係ではなく「友」としてお付き合いただける人間関係を築けるようにという思いです。

独立をするということは自分自身が商品であり、自分に合うお客様とお付き合いができるので、どんなポリシーでやっているのかなどきちんと伝えて方向性があっているか事前に確認することがとても重要だと思います。

今現在独立を検討されている方で、コロナ禍において不安に思われている方も少なくないと思います。実際に、私も昨年は不安でした。特に、私の場合はコミュニケーションを大事にしてお客様と関わっていたので、直接会えなくなり、直接顔色を見ることができなくなってしまいましたので不安になることもありました。

しかし税理士業界なら、コロナ禍であっても今独立するメリットはあると思います。やはり税理士業界は人が足りていません。高齢の税理士の方も多いので廃業されるケースも増えてきていますので全体としての世代交代の今の時期はチャンスだと思います。

そして重要なことは、周りに税理士の知り合いを作っておくこと。相談もできますし、仲間内での勉強会も開催できます。自分としても困っている仲間がいたらなるべく助けたいと思っているので、輪も広がっていくのかもしれません。

これから税理士資格を取得して、独立を視野に入れている方もいるかと思いますが、税理士の仕事は楽しい!

もちろん、締め切りがあったり責任が重い仕事なので大変なことも多いのですが、普段会えないような著名な方をご紹介していただくこともありますよ。人脈を大事に、周囲への感謝を忘れずこれからも楽しんでやっていきたいと思っています。

 

【編集後記】

周囲にいる人たちを大切にしていきたいと話す有明先生。取材中も楽しそうに今のお仕事について語っていただいているのが印象的でした。有明先生、ありがとうございました!

有明由樹税理士事務所

●創業

2015年7月

●所在地

東京都 港区北青山3-5-14青山鈴木硝子ビル5F

●理念

・お客様とは単に「お客様」と「税理士」としてのビジネスのみの関係だけでなく「友」としてお付き合い頂ける人間関係を築くこと。
・仕事のみならず、人生のモットー「何事にも前向きに楽しく取り組むこと」

 


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著者: KaikeiZine編集部

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