国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

KaikeiZine

注目キーワード

国税庁のDX「リモート調査」

DX推進が広がる中、国税庁も「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション」の方針を明確化した。今回は、「リモート調査」という言葉に着目したい。

「リモート調査」なる言葉を頻繁に耳にするようになってきた。聞き捨てならない。
リモート会議やリモート飲み会さながらに、パソコンの画面越しに調査官と対峙することだろうか。いやいや、どうもそんな緩いことではないらしい。

デジタル活用によりサービスや仕事の在り方を変革する「デジタル・トランスフォーメーション」を推進する動きが社会全体で広がる中、国税庁も多分にもれず「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション」に取り組んでいく方針を明確化。先ごろ、デジタル化に焦点を当てた「税務行政の将来像」をアップデートした。

この中で、「納税者の利便性の向上」と「課税・徴収の効率化・高度化」を2本の柱としつつ、「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」に向けた構想を示すとともに、課税・徴収におけるデータ分析の活用等の取組みを更に進めていくこととしている。

気になるのは後者。「課税・徴収の効率化・高度化」に関する取組状況として、申告内容の自動チェックやAI・データ分析の活用、照会等のオンライン化に加え、リモート調査にも触れている。

国税庁では、税務調査の効率化を進める観点から、令和2年7月より大規模法人を対象にWeb会議システムなどを利用したリモート調査を実施しているところ。リモート調査は、国税局等の調査担当者と調査法人ネットワーク回線を繋いでweb会議・データ収受等を行うもので、セキュリティ強化のために特定の端末のみネットワークへの接続を認証することとしている。「税務行政の将来像」によると、国税庁では今後必要な機器や環境の整備を進め、リモート調査のさらなる拡大に取り組んでいくとしており、図解入りでネットワーク接続の仕組みを紹介している。

Web会議システム利用の前提として挙げているのは、①税務調査では機密性の高い情報のやり取りが行われることやシステムの脆弱性に起因するリスクがあることを相手方が理解していること、②調査法人が、通常業務において機密性の高い情報のやり取りを含め当該Web会議システムを利用していること、③調査法人の管理・支配する場所等において、相手方の使用に供する機器・接続環境を利用してセキュリティポリシーの範囲内で活用する—など。

なお、照会等のオンライン化では、これまで書面や対面により多くの手続きを踏んで行っていた金融機関への預貯金照会(令和3年10月〜)や、税務調査における必要な資料の提出(令和4年1月〜)について、オンライン化を図るとしており、リモート調査拡大への土台づくりは着々と進んでいるようだ。


バナーをクリックすると㈱レックスアドバイザーズ(KaikeiZine運営会社)のサイトに飛びます

最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。

 

◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします

メルマガを購読する


 

著者: 川瀬かおり

記者/税金ライター

社会部を根城とする税金オタクの女性記者。財務省・国税庁を中心に取材活動を展開すること20余年。事件モノを得意とし、裁判所にも日参する。税金ネタをこよなく愛する一方で、税制の隙間や矛盾を見つけては叩きまくるサディスティックな一面も。趣味は夜討ち朝駆けとクラブ通い。

ページ先頭へ