いいアイデアの定義の1つが「非常識」です。これまで常識と思われていたことを覆す、そこに最高のアイデアが埋もれています。第37回【儲けのしくみ】ビジネスモデル構築の極意は、「常識を疑う」です。
常識とは
Wikipediaによると、常識とは“社会を構成する上で当たり前のものとなっている、社会的な価値観、知識、判断力のこと。また、客観的に見て当たり前と思われる行為、その他物事のこと“とあります。
言い換えると、だれか、もしくはどこかの団体や組織によって決められた事柄、または多くの人の経験から積みあがったルールのようなものと言えます。
つまり、真実や事実のように「絶対的なもの」ではない、ということです。
ビジネスの発想においては、この常識が大きな枷になります。
いわゆる「思い込み」や「主観」と呼ばれるものに変化して、発想の行く手を阻みます。
これは、こういうものだ。
例えば、消しゴム。鉛筆で書いた文字を消すもの。
もちろん、用途はその通りですし、そのために生産されたものです。
しかし、そこで終わってしまうと、それ以上の可能性を見出すことはできず、新たな利益の源泉に辿りつくことはありません。
常識を破る
もちろん、日ごろ社会生活を送る上で、決められたルールを破るようなことは褒められたことではありません。
しかし、ビジネス発想においては、とてつもなく有用です。
ここで常識を破った画期的な事例を4つご紹介しましょう。
富士山消しゴム/プラス株式会社
さきほど述べた、消しゴムとは単に書いた文字を消すものという“常識”を見事に覆した画期的な消しゴムです。
2層構造の樹脂で構成された消しゴムを使いながら左右前後バランスよく消すことで、自分だけの富士山をつくることができるもの。
消すという機能的価値に消す楽しさという情緒的価値を新たに追加して、今までになかった消しゴムになったのです。
Fit’s 従来の3分の1の力で噛めるガム/株式会社ロッテ
多くの人が思い浮かべるいわゆるチューイングガムと呼ばれるものは、さながら海外のスポーツ選手がクチャクチャと噛んでいるあのイメージです。
しかし、時代とともに特にメインターゲットである若者から「ガムを噛むのが面倒」と敬遠されるようになりました。そうしてガムの売上高に陰りが見えるようになったところへ登場したのがこの画期的なガムなのです。
食べるバター
バターと言えば、パンなどに塗って食べるもの。
この“常識”を覆し、新たな市場となっているのが食べるバター。
国産発酵バターにナッツやドライフルーツといったものを加えることで、更なる美味しさを追求した食べるバターです。ストロベリーやマンゴーといったフルーツフレーバーから、カカオ・ショコラ、アールグレイ、チョコミントといった変わり種まで、様々なフレーバーが販売されています。
チェーンレス電動アシスト自転車「HONBIKE」/HONBIKE株式会社
自転車に乗る人で、自転車のチェーンが外れて悪戦苦闘した経験のない人はいないでしょう。(もちろん、最近のものはチェーン自体が外れにくくなっているとは思いますが)
自転車というイメージを思い浮かべるとき、前輪と後輪を繋ぎ、乗り手がペダルを漕ぐことによって生み出される“動力”を伝えるものとしてチェーンは不可欠という思い込みがありました。
チェーンをなくす。とてもシンプルなことですが、まさに私たちの「常識の外」と言えるアイデアです。
常識を破るには
以上4つの事例をご紹介しました。
では、どうすればこれらのような「常識を破った発想」に辿りつけるのでしょうか。
そのために必要な手順は3つです。
- 身の回りにあるものを書き出す。
- その商品を使っているイメージを思い浮かべる(または書き出す)。
- 書き出した事柄について、1つずつ、「なぜそうなっているのか」を問いかける。
例えば、扇風機。
電源を差し、スイッチを入れるとファンが回りだし、ボタンを押せば、左右に首を振り出したりしながら、送風し始める。
使っているイメージを思い浮かべると、こんな感じでしょうか。
ここで「なぜそうなっているのか」を問いかけてみるのです。
例えば、
なぜ、ファンが回ることで風が送られるのだろうか?
なぜ、首は左右に振るのだろうか?
言わずもがな1つ目の問いを起点にして世界的な成功を収めたのが「ダイソン」です。
そして2つ目の問いをヒントに生み出されたのが、立体的送風が可能な扇風機です。
従来の扇風機に、工場などで用いられている「サーキュレーター」機能を加えたことで、室内全体に風を行き渡らせることができるようになっています。
以上、常識を疑い、その破り方についてご紹介しました。
もちろん、簡単なことではありませんが、常識を破った先には事例にもある通り「新しい市場」を生み出す力を持っています。
ぜひ、日ごろ何気なく行っていることや考えていることに意識を向けてみてください。
そこに最高のアイデアが埋もれているかもしれません。
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