小学生の頃、楽しかった遠足から帰り、校庭に集合。「あーこれで今日の遠足は終わった、楽しかった」と思っていると、校長先生が「おうちに帰るまでが遠足です」と言う―――。こういう経験を多くの方が共有しているのではないかと思いますが、「おやつは300円まで」、「バナナはおやつに入らない」と並ぶ、いわゆる「遠足あるある」の1つでしょう。今回は「遠足の終わり」ならぬ、「税務調査の終わり」を考えます。

遠足の終わり

遠足の終結というのは学校や駅での解散を意味するのではなく、それぞれの家に着くまでが遠足だというわけです。「気持ちが浮つく帰り道に交通事故などに遭わぬように」という大人の想いが込められているこのアイディア、誰が考えたのかは分かりませんが、なかなかの名文句だと思います。

これと関係があるのか定かではありませんが、人類初となるエベレスト山頂到達に成功した有名登山家エドモンド・ヒラリー(Sir Edmund Percival Hillary,1919-2008)は、登山について次のように話しています。

もし山に登っても、下山中に命を落としたら何もならない。登頂とは、登ってまた生きて帰ってくることまでを含むのだ。

これは、先にエベレスト頂上に挑み途中で行方不明になっていたジョージ・マロリー(George Herbert Leigh Mallory,1886-1924)らが、山頂到達を果たしたのか否かの論争に関して、ヒラリーが登山とは何かを述べた一節です。

このヒラリーの言葉は、「家に帰るまでが遠足」というフレーズと近しいものがあるようにも思われますが、では「税務調査」の終結はいつでしょうか?まさか「税務職員が家に帰るまでが税務調査」ということにはならないと思われますが、税務調査の終結時点はいつなのでしょうか。