フェードアウト調査

従前、初回の実地の税務調査が行われた後に、2回目の調査の約束もなく、そして税務職員からその後の連絡もなく、いつの間にか連絡が来ないままになってしまっているなどということがありました。

「あの税務調査ってどうなったんだろう?もしかしたら単なる反面調査だったんだろうか。あるいは非違事項がなかったから終わったんだろうか・・・。」

不可解なことに、その後一切税務署から当該調査についての連絡が無く、いつの間にか無くなってしまうような調査が、かつて実際によくあったといわれています(これを筆者は、いわば「フェードアウト調査」と呼んでいます。)。

調査を受ける側からすれば、フェードアウト調査というのは極めて安心できない状態が続くことを意味し、精神的にも負担が大きいでしょう。そうであるとはいえ、わざわざ自分で「あの調査はどうなったんですか?」と税務署に問い合わせるのもヤブヘビになりそうで気が引けるのであって、いっそのこと、校長先生の一言のように、どこまでが税務調査なのかという終結宣言があればいいと思う納税者は少なくなかったと思われます。

そこで、平成23年11月に税制改正が行われ、平成25年1月から施行された国税通則法74条の11《調査の終了の際の手続》は、次のように、調査終結宣言ともいうべき規定を設けています(下線筆者)。

国税通則法74条の11《調査の終了の際の手続》

 税務署長等は、国税に関する実地の調査を行つた結果、更正決定等…をすべきと認められない場合には、納税義務者…であつて当該調査において質問検査等の相手方となつた者に対し、その時点において更正決定等をすべきと認められない旨を書面により通知するものとする。

2 国税に関する調査の結果、更正決定等をすべきと認める場合には、当該職員は、当該納税義務者に対し、その調査結果の内容(更正決定等をすべきと認めた額及びその理由を含む。)を説明するものとする。

すなわち、調査の結果、非違事項が認められない場合には、いわゆる是認通知と呼ばれる通知書が所轄税務署長から書面で渡されることになる一方(1項)、非違事項が認められる場合には、その調査結果の内容や理由等について税務職員から説明しなければならないこととされているのです(2項)。

これは、いわば「税務調査はここまでですよ」というアナウンスと同義であるといえましょう。もっとも、楽しかった遠足に終わりを告げ、友達と別れるのがやや名残惜しさを帯びた遠足の終わりとは異なり、税務調査は終わってやれやれというものですから、明確でできるだけ早い終結が望まれているのでしょう。


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