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酒井克彦の「税金」についての公開雑談~山田太郎さんと「滞納太郎」~

皆さんは「山田太郎」さんと聞けば、誰を思い浮かべるでしょうか?参議院議員、歌手、評論家など、少し考えるだけでも著名人が数名思い浮かびますが、スポーツ漫画の主人公を思い出す方もいるでしょう。もっとも、こうした固有名詞とは別に、申告書や申請書などの書き方を説明する見本例にも、よく「山田太郎」という名称が使われることがあります。今回は、そうした山田太郎さんに注目します。

最も普通の氏名?

「山田太郎」さんは、申告書や申請書などの書き方を説明する見本例に度々登場するわけですが、著名な固有名詞としての山田太郎さんが何人もいるというのに、このような有名人を想起させる氏名を記載例にするのはどうしてなのでしょうか。

ネット配信記事の「オトナンサー」によると、「最も多く名字に使用される漢字は『田』『野』『川』『山』『谷』の5つですが、この漢字だけで構成される上位の名字は山田だけ。つまり、日本全域で親しみを感じる人が多い山田と太郎を組み合わせた『山田太郎』は、誰が見ても『普通の氏名』に見える」といいます(オトナンサー2017年6月29日配信「そうだったのか! 氏名の記入例が『山田太郎』である理由」)。

なるほど、山田太郎とは固有名詞ということではなく、親しみやすさという点から多くの記載例に採用されているのでしょう。

そもそも、「太郎」というのは、長男を意味する「輩行字」であることはよく知られています。すなわち、この「太郎」とは長男を意味し、「次郎」は二男、「三郎」は三男を指す名前というように、「輩行字」とは、身分や世代を表す字をいいます。

輩行字を使った輩行名が「太郎」なのです。そう考えると、「太郎」という名前は、特に固有名詞としての意味から離れて、「どこどこの家の長男」という意味だとすれば、見本例にはぴったりの表現であるともいえそうです(もっとも、既に今日的には確定申告書等の記載例には「長男」や「次男」という表現を用いないこととしており、単に記載例としては「子」とされている点については、当コラム「ジェンダー問題と確定申告書」でも触れています。)。

いずれにしても、同姓同名の有名人はいるものの、「山田太郎」という記載例を採用するにはそれなりの意味があるということですね。

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