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IPO担当者必見!内部統制構築の奥義【第17回】JSOXにおける監査人の役割と義務

この連載では、IPOを目指すJ-SOX導入プロジェクトを担当される方々が、具体的にどのようなアクションをとればよいかを説明します。
IPOを目指す際に、最も苦労する作業といわれるJ-SOX導入。「J-SOX導入プロジェクト」を担当される実務家の方が「何をすれば良いのか」、「どのように進めれば良いのか」といった具体的なイメージを描けるよう、実際のゴールとなる「成果物」、「具体的なアクション」に焦点を当てて話を進めたいと思います。

はじめに

これまでJSOX担当者の方が担う具体的な業務や注意点を記載してきました。今回は視点を変えて、JSOX導入に際して監査人(監査法人)が果たさなければならない役割を記載したいと思います。

JSOX担当者にとって監査人とのコミュニケーションはプロジェクトを円滑に進める上で重要な業務となります。

交渉相手となる監査人がどのような役割を担い、どのような義務を負っているかを理解することで、監査人からのコメントをより深く理解することができます。

監査人からのコメントへの対応は、JSOX担当者にとって強いプレッシャーがかかる業務であると同時に腕の見せ所でもありますので、業務を円滑に進めるために監査人の役割、負っている義務について説明したいと思います。

財務諸表監査の監査人による内部統制監査の目的

経営者は、内部統制を整備及び運用する役割と責任を負っています。JSOX制度では、財務報告に係る内部統制を対象として、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準に準拠して、その有効性を経営者が自ら評価して、その結果を外部に向けて報告することを求めています。

また、経営者による財務報告に係る内部統制の有効性の評価結果は、独立の第三者である財務諸表監査の監査人による監査の対象とされています。監査(以下「内部統制監査」)の目的は、経営者の作成した内部統制報告書が、一般に公正妥当と認められる内部統制の評価の基準に準拠して、内部統制の有効性の評価結果を全ての重要な点において適正に表示しているかどうかについて、監査人自らが入手した監査証拠に基づいて判断した結果を意見として表明することにあります。

ここで抑えていただきたい点は、監査人の意見表明は、経営者の作成した内部統制報告書が「全ての重要な点において適正に表示しているかどうか」を目的として行われており、「直接的に内部統制の有効性を検証する」となっていないことです。内部統制報告書に対する監査人の意見は、内部統制の評価に関する監査報告書(以下「内部統制監査報告書」)により表明されますが、当該報告書では直接的に内部統制の有効性に言及するわけではなく、内部統制を評価した経営者の評価が「全ての重要な点において適正に表示しているかどうか」について意見表明されます。

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