預金使い込みのチェックポイント③:被相続人の健康状態を確認する

相続問題が生じるのは被相続人(ご両親)が長生きされたケースが多いですが、その場合、被相続人(ご両親)は徐々に健康状態が悪化して最後に亡くなるケースが大半です。例えば、足腰が悪くなり引きこもりがちになり、そのうち認知症の疑いが生じ、最後は寝たきり状態になる等の経過をたどることが多いです。

被相続人の健康状態がどのように変化したかを確認することで、預金の引出しが被相続人のための出費又は被相続人の同意がある出費なのか、相続人が被相続人の同意なく預金を使い込んだのかが明らかになることがあります。とくに認知症の疑いが生じた時期以後は被相続人が預金の引出しに有効に同意をできなくなることがありますので注意が必要です。

預金使い込みのチェックポイント④:被相続人の生活状況を確認する

また、被相続人の生活状況がどのように変化したかを確認することもポイントです。これは、預金の引出しが被相続人のための出費か否かを判断する時に被相続人がどのような生活をしていたかが判断材料となります。

例えば、被相続人は大きな娯楽等もなく、旅行等も好きではなかったような場合に、毎月数十万円単位で預金の引出しがあったときは、当該預金の引出しは被相続人のためではなく、同居していた相続人が自分のために費消したことが疑われます。

預金使い込みのチェックポイント⑤:どのような手続を選択するか考える

預金の使い込みが疑われる場合、どのような手続によって預金の使い込みがあったことを主張するかを考える必要もあります。話し合いで解決ができそうなのであれば遺産分割調停において預金の使い込みがあったことを前提とする解決を提案することも考えられますし、判決によって事実認定を求めるのであれば不当利得返還請求訴訟を提起することになります。

どのような手続を選択するかについては、立証の難易度、証拠の有無を勘案して、見通しを立てて選択することとなります。一般的に預金の使い込みがあったことを立証することは難しいですが、丁寧に預金口座の取引履歴をチェックした上で、被相続人の健康状態や生活状況と照らして不自然な点がないかを整理することで、預金の使い込みがあったことが分かることも少なくありません。預金の使い込みが疑われる場合は一度弁護士にご相談されることをお勧めいたします。

相続財産の預金について確認すべき5つのポイント
1、預金の引出しの理由について整理する
2、預金口座の取引履歴は金融機関に開示を求めて内容を確認する
3、被相続人の健康状態(とくに認知症等)を確認して被相続人の同意がある預金の引出しと言えるかチェックする
4、預金の引出しが被相続人の生活状況に照らして適正金額か検討する
5、どのような手続を選択するか慎重に検討する

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