経営に欠かせない「ヒト・モノ・カネ」の三要素。これを管理することが事業を成長、存続させるためには不可欠だ。その中でも注意してもらいたいのがお金の管理である。

お金の管理からみえてくる現在位置
事業が一見順調であっても、運営・維持するための資金が尽きた瞬間に「黒字倒産」を迎えてしまう状況は少なくない。「ヒト・モノ・カネ」の三要素をしっかり管理しなければ、事業がうまく行かなくなってしまうのだ。
それを防ぐのがお金の管理、つまり経理業務である。特に事業が順調なときこそお金の管理をおろそかにせず、将来を見据えた対策を立てておくことが必要である。経理業務は利益を生まないと、営業活動を優先させてしまう経営者は多い。
しかし、経理業務により事業の成績表が可視化され、現状を分析し把握することで、夢を持ち続け実現することにつながるとも言える。数字に強い経営者になるためには、経営者自らが経理業務を通して数字を学ぶことが必要である。
お金の管理 絶対押さえたいポイント
現金の取引はほぼ毎日発生することが多く、ついつい面倒な処理になってしまいがちである。そこでポイントになるのが、「現金管理の工数」を減らすことだ。たとえば法人カードやSuicaを活用することにより、現金の引出・預入の回数を減らすことが考えられる。
また、銀行預金の管理は通帳に記録される分、現金よりも管理が楽だが、さらに効率化するためには、ネットバンクを利用することによりデータをCSVでダウンロードし会計ソフトへ取り込むといった方法もある。預金口座は事業用と個人用をきちんと区分し口座の数を減らすことが、管理を楽にするポイントである。
確定申告前にやっておくべき4つの作業
確定申告の作業はフリーランスや個人事業者にとって憂鬱な作業。通常の経理業務に加えて12月だけに発生する作業や、確定申告作業に向けて意識しておきたい処理を4つに分けて説明していこう。
1つ目は、売掛金の残高確認と再請求作業である。これは請求書を出したが長期間支払いが行われていない売掛金に対して再度請求を行うこと。宛先不明で請求書が戻ってきた場合には、貸倒れとして処理し必要経費に計上する。得意先の手違い等で入金がされていないことも考えられるため、必ず行っておきたい作業だ。
2つ目は、仮払金の未精算や税金の納付漏れの確認である。従業員への仮払いや立替を行ったもので未精算・未回収になっているものがないかの確認。さらに各種税金の納付忘れがないか、こちらも再度確認しよう。税金の納付漏れがあると銀行から融資を受ける際に不利になる可能性があるので、精算は必須である。
3つ目は、在庫の棚卸しである。在庫の計上漏れが発生すると、その年に必要経費にしてはいけないものを計上してしまうということになるので、実地で在庫の数量の確認が必要である。
4つ目は、減価償却資産の確認である。設備や機械装置、器具備品などの固定資産を持っている場合に記載が必要となるのが減価償却資産台帳だ。減価償却資産台帳に記載があるものが実際に存在しているか確認する作業をし、さらに売却や廃棄した場合には、削除処理をする必要がある。
事業の生命線であるお金を守るため、お金の不安をなくすために必要なのが経理業務である。お金を守るためには、お金自体の知識の他、会計も意識しなければならないし、税金の知識も必要だ。数字に強い経営者になるためにも経理業務にしっかりと取り組んでおこう。




