サラリーマンには、節税対策がほぼない。しかし、唯一活用できるのが不動産所得である。今回は、そんな不動産所得を利用した節税の裏ワザをご紹介しよう。
給与所得と損益通算、つまり合算できる!
不動産所得は、給与所得と損益通算できるのをご存じだろうか。つまり、不動産での収支がマイナスだった場合、給与所得を減らすことができるのである。
確定申告をして、税金が戻る場合もあるし、給与所得を減らすことによって、所得税のみならず住民税の節税を図ることも可能だ。
青色申告控除が利用できる!
不動産所得は、1室でも10万円の青色申告控除という、控除制度が利用できる。不動産所得から、さらに10万円もマイナスできる。
これは管轄税務署に「所得税の青色申告承認申請書」を提出することにより、青色申告をすることができるようになる制度で、その年の赤字を翌年以降に繰り越したり、他の所得と相殺できたりできる上に、10万円の特別控除も受けられるというとても便利な制度である。
サラリーマンに朗報
冒頭でも紹介したように、税金対策になるうえ、賃貸収入で手元資金が増加した場合、老後の保障財産になる可能性も高い。そのひとつに、必要経費が計上できるということがあげられる。ここではその詳細を見ていこう。
・さまざまな費用が経費として計上できる
固定資産税や不動産取得税、登録免許税、印紙税、事業税などの租税公課や事業に要する火災保険料等の損害保険料、建物等の修繕費、減価償却そしてアパートの取得に要したローンの利息も借入金利子として経費に計上できる。
これだけみると朗報とはいいがたいかもしれないが、これ以外にも、経営の状況に応じて実際に支出する必要経費の費目を自由に設定して差し支えないというのがポイントだ。
たとえば、旅費交通費としては下記のようなものがあげられる。
1.不動産投資会社が主催したセミナーに参加するための交通費
2.管理会社などと打合せするための交通費
3.物件を見に行くための交通費
また、飲食に関係する費用も経費として認められる場合がある。
1.管理会社などと打合せするための飲食費
2.税理士との打合せするための飲食費
3. 不動産投資仲間との意見交流するための飲食費等
・配偶者を青色事業専従者にできる
青色申告をしている人は、「青色事業専従者給与に関する届出書」を提出することにより、配偶者に給与やボーナスを支払うことができる。所得を分散することで、低い税率を使うことが可能になり節税することが可能だ。
・相続税対策にも有効となる
不動産にはさまざまな税金上の優遇措置が設けられている。たとえば、相続税を考えたとき、現金は金額そのままに税金がかかるが、不動産はその現金の価額の2割、3割当たり前、場合によっては8割も計算上の価値を下げて税金を計算できるようになっている。
今多くの税金を払っている人たちにとってみると、これはかなりの朗報ではないだろうか。
費用として扱える額が増えるということは、結果、税金も少なくなり、その結果としてキャッシュフローが増えるのである。
このように不動産投資は、所得税、住民税、相続税の節税対策に利用できる上、収益にも資産形成にも繋がり、所得のリスク分散という意味ではとても有効な手段である。しかし、物件を間違えると、空室続きで収益が見込まない場合もあるので物件選びには、注意する必要がありそうだ。