今回は、上場企業の監査や、上場支援、IPO支援を中心に活動している監査法人コスモスの新開氏に、東京プロマーケットについてお話を伺いました。監査法人コスモスは東京プロマーケットへの上場支援に積極的に取り組んでいます。東京プロマーケットへの上場を考えている方はぜひ参考にしてみて下さい。
目次
- 東京プロマーケットの最近の注目点・盛り上がりについて
- 東京証券取引所さんが考える東京プロマーケットの利用方法
- 東京プロマーケットへの上場を希望する会社の特徴
- 東京プロマーケットへ上場した会社の成長戦略
- 東京プロマーケットを入り口としたステップアップ上場について
- 他の市場へ移行せず東京プロマーケットだけでの活動はどうなのか
- 監査法人コスモスについて
- まとめ
1.東京プロマーケットの最近の注目点・盛り上がりについて
最近、より盛んに東京プロマーケットの事を話す経営者が増えています。東京証券取引所さんが、東京プロマーケットをIPOの登竜門として位置づけており、最近では日経新聞でもそのように取り上げられています。
また、2022年4月に予定されている市場再編において、時価総額基準を中心として、上場時の基準と上場維持の基準が同じとなり、上場へのハードルは高くなってきています。
これまでは時価総額が5億円などの上場廃止基準があり、上場する時の基準と上場廃止基準が異なる状況でした。しかし、今回の市場再編による基準変更が、上場廃止を余儀なくされる会社を生み出す可能性があります。
2.東京証券取引所さんが考える東京プロマーケットの利用方法

東京証券取引所さんは、東京プロマーケットも一般市場同様な機能を付け加えようと考えていると聞いたことがあります。具体的には、東京プロマーケットでも流動性を高め株式の流通を増やす市場にしたり、エクイティによる資金調達をしやすくすべきだという意見が関係者の間で広がっているようです。
東京プロマーケットは中小企業やIPOを目指している企業にとって、より有意義な市場に変化していくでしょう。今後さらにあり方を変えるなど、制度を微調整しようと、少しずつ動き始めているようです。
3.東京プロマーケットへの上場を希望する会社の特徴

東京プロマーケットへの上場を希望する会社には下記の様な特徴があります。もちろん下記以外の目的で上場しようと考えている企業もあります。
- 上場してさらに成長したいと考える、売上数億~10億程度の中小企業
- 市場再編により一般市場へのIPOが難しく感じた中堅企業
前者は今までもあったように、上場してから成長していきたいという会社です。収益性を高め、高い時価総額への成長をもとめ、さらに次の市場にIPOしていきたいと考えている中小企業です。
後者は市場再編の結果、一般市場を狙っていましたが、IPOが難しいと感じている企業です。近年では、このようなIPOの登竜門として、一旦、東京プロマーケットへの上場を目指そうとする会社が増えています。
例えば、成長性が高い会社は、新市場のグロース(特に高い成長可能性を有する企業を対象とした上場制度)を目指してもらえばよいのです。
一定の規模がある会社であっても、新しい基準がもとめる高い成長性や収益性を満たせない中小・中堅企業は、東京プロマーケットへ上がることで成長戦略として、M&Aを活用しながら成長性を高めるなど、上場によるブランド力獲得により収益性を向上させることで、企業価値(時価総額)を高めることができるでしょう。
このように、時価総額が足りなくても東京プロマーケットに上場することで、チャンスが広がる企業が増えています。価値創造のドライブを得て、次の一般市場にIPOしていくという流れが主流になると考えられます。