グローバルキーワードは「リスキリング」

人材の採用や雇用、育成に関するグローバルキーワードは「リスキリング」です。

これを知らない人は乗り遅れていますよ、と言えるかもしれません。

企業の教育投資が180°様変わりしているのです。

人材の教育というと、OJTやOFF-JTといった社内外における研修が挙げられますが、これまでは会社に留まることを前提に行われていました。

現在は、採用を目的としたリスキリング、さらにはDX人材の育成や活用を前提としたリスキングの大きな潮流がきています。

リスキリング(reskilling)とは、職業能力の再開発や再教育を意味し、「学びなおし」とも言われます。

まずは海外の例を見てみましょう。(参考:日経ビジネスNo.2118)

アメリカ企業のリスキリングは昨今さらに活発になり、アマゾンやウォルマートが従業員に対して大学の学位取得費用を全額負担するなどの取組みが行われています。

背景にあるのは新型コロナウイルス。

コロナによって失業率が増えたのは世界共通の事象です。ですが、ことアメリカにおいては失業率の高まりとともに離職率も向上しました。「一度きりの人生、どうせならやりたい仕事をして暮らしたい」そのようなマインドが蔓延したため、経済が復調して企業が再雇用に舵を取っても労働者が戻らなかったのです。

そこで起きたのが、人材獲得のための「企業間のリスキング強化競争」。

先の例では、学費を肩代わりすることでその会社で働く意義を見つけてもらう、そういった意図があります。リスキリング対しては利益貢献を目的とした従業員再教育ではなく、人材獲得といった採用面に目的を見出しているところに特徴があります。

市場獲得を目的としたリスキリングを行うマイクロソフトやGoogleなど、リスキリングは他にも多種多用な目的を持って行われていますが、共通しているのは従来の「利益貢献を目的とした再教育」とは異なる意義を見出している点です。

DX人材を前提としたリスキリングが今凄い

さて、視線を日本に移しましょう。

冒頭の「ゆるブラック企業」に危機感を抱いている若者とリスキングは非常に相性が良いように思えます。スキルを身に着け成長したいと考える人は、教育投資に熱心な会社への就職や転職を視野に入れると良いかもしれません。

経済産業省もリスキリングの必要性を語っています。というのも、DXが進むにつれ職業別の労働需要のギャップは広がり、2030年には事務職や生産職が210万人過剰になる反面、専門職は162万人不足するという見通しが出ており、従来型のビジネスモデルの就業者をデジタル人材へと変革させる必要性がある、という考えがベースにあるようです。(参考:日経ビジネスNo.2118)

また、従業員の再教育という目的を超え、経営そのものの変革をゴールにしてリスキリングへ取組む企業も徐々にですが増えています。リスキリングの結果が昇進や昇給といった待遇面に繋がっていないなど人事制度をどう構築していくか、といった課題もあるものの、この潮流は今後ますます拡がっていくと思われます。

DX人材の育成に舵をとっている企業の例を挙げたいのですが、多くあり過ぎてキリがありません。試しに「DX人材 育成 事例」などと検索してみてください。(ちなみに、アナログと思われがちな会計業界に位置する当グループ、日本クレアス税理士法人|コーポレート・アドバイザーズグループでも、研修制度など徐々にリスキリングの制度を導入しています。)

ですので、仕事で成長をし続け自分の市場価値を高めたい人や、人生100年時代で長く現役で働きたいという気持ちを持っている人が就職や転職で企業を選ぶ際には「教育投資に熱心な企業」というのが一つの指標となるのではないでしょうか。

そしてここで重要になるのは「個人視点」です。