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会計士 中村亨の「経営の羅針盤」第13回-新入社員に贈る言葉

皆さん、こんにちは。待ちに待った、春。
といっても今年はコロナ禍で、卒業式、入学式等の行事はかなり簡素化されているようです。学校によっては「親は1名のみ」と制限されるケースもあると耳にしました。
私は次男の小学校の卒業式には何とか参加できましたが、式次第は超短縮版で、卒業式なのに歌が歌えない、贈る言葉省略、といった内容でした。
さて、早いもので4月。入社の時期ですね。
今日のコラムでは「新入社員に贈る言葉」と題して、祝辞風につづってみたいと思います。
新入社員の方には、社会人として活躍するために何が重要なのか?自分なりの答えを得ていただきたいと思います。また既に社会人として活躍している先輩方は、初心に戻り気持ちを改めるキッカケにしていただければと思います。ではスタート。

学生と社会人との違いは「自分を否定される機会が多いこと」

皆さん、おめでとうございます。

今、皆さんは希望に胸を膨らませて、社会人としての一歩を踏み出したことと思います。

「学生である自分と決別し、いよいよ社会人になったのだ」ということで気を引き締めていらっしゃるでしょう。

では、学生と社会人の違いは何でしょうか?

「働くことでお給料がもらえる、スーツを着る、毎朝出勤する、夜更かしができない、責任が重くなる」そういった何もかも違う環境に身を置かれますが、最も大きな違いは何か。

それは、【自分や自分のやったことを否定され、傷ついたり、落ち込んだりする機会が多い】ということだと私は考えます。

学業が本業である学生は、その学業で成果を上げれば褒められますし、例えばアルバイトやサークル活動などで成果を上げれば、本業以外でよくやったと評価されたことでしょう。しかし、これからは、「いつもいつも」褒められることばかりとは限りません。むしろ自分の考えや行動を、或いは時に自分自身すら否定されることが多くなるのではないかと思います。

否定や失敗が成長の糧に

学生と社会人の違いと言ってしまえばそれまでです。

自分の新人時代、もうずいぶん昔、30年近く前の1993年になりますが、その頃のことを思い起こしてみました。

頑張れば頑張るほど、自分の考えをもって一生懸命仕事をすればするほど、叱られたり、否定されたという記憶があります。壁にぶつかり、なぜうまくいかないのかと悩んだりしました。一体なぜ否定されているのか理由が分からないということも多くありました。

しかし、今ではそれで「良かった」し、それが糧になったからこそ成長したのだ、と思っています。

自己を否定されることでその原因をよく考えたり、仕事のやり方を工夫したり、自分自身の考え方、考える癖のようなものを改めたりもできました。つまり、否定されたり失敗したりすることのすべてが、成長の元になったのだと考えます。

全ては運命であり、責任であり、選択の結果

今の皆さんには、「先輩の指導を聞いて頑張ろう」という謙虚な姿勢が十分にあると思います。

これからの社会人生活では、どんな時でも、今持っているその謙虚な気持ちを忘れず前向きに仕事し、どんな小さな仕事も、普通なら人が思わず嫌がってしまうような仕事も、ひたむきに取り組んでください。

そして、自分の身の回りに起こることに無駄なことなどないハズだ、自分の身の回りに起こることは全てが運命であり、自分の責任であり、自分の選択の結果なのだと思って環境を受け入れて欲しいと思います。

そうすれば社会人としてしっかり成長することができるでしょうし、叱ったり、注意したり、否定したりする会社の先輩や上司、時にはクライアントの方々、そして目には見えない世間全体というものに感謝できる日が必ず来るはずです。

「実力の世界」では自分を定義付ける物差しが変化

皆さん一人ひとりを「社会的に個別に位置付けるもの」は、これまでは何だったでしょうか?どこの大学を出たとか、父親の職業がどうだとか、どこの出身だとか、そのような目に見えるものだったのではないでしょうか。
そのように自分を定義してきた物差しは、「皆さんのこれからの人生とは全く関係がなくなる」ということはありませんが、徐々に変化していきます。

社会に入ったこれからは「実力の世界」に変わっていきます。

仕事や会社という枠の中では、仕事を通して会社に貢献できる、世の中に貢献できる、お客さんに貢献できるという、「他者の役に立つ」ということが唯一と言っても良い評価軸であり、それが社会人である自分を定義付けるものになります。

ですので、いったんこれまでのフレームワークや価値観は捨てて、まっさらな気持ちで社会に会社に飛び込んで大いに張り切って欲しいと思います。

「正解が一つとは限らない」令和時代の新社会人へ

高度経済成長時代は、昭和の時代とともに今から30年以上前に終わり、終身雇用も大きく崩れました。

皆さんはきっと努力すれば「正解(ただしいこたえ)」にたどり着くはずだ、と思って頑張ってくれるでしょう。確かにそうです、頑張れば道は開ける。その通りです。

但し、今の時代は、「正解が一つとは限らない時代」です。

複数の正解があるわけですから「物事を進めるプロセス」もたくさんあるということになります。

そんな時代の中で活躍するために大事なことは、「自ら考え、自ら判断し、自ら行動する」ことです。それらを行うことで「自分」を見失うことなく、生きる意義や働く楽しみを感じることができますので、どうか、指示を待つだけの「指示待ち族」にはならないように、常日頃から考えて行動して仕事をして欲しいと思います。

しかし、「自ら考え、自ら判断し、自ら行動する」といっても、他者から否定・批判をされた時に、自分は正しいはずだ、周囲が間違っている、私は悪くない、と殻に閉じこもり自分の価値観以外を受け入れずに生きていく社会人には、決してならないでください。

そうなってしまいますと、皆さんに一番必要な「成長する」ということから遠ざかってしまうでしょう。

苦しい時、悩んだときは、ぜひ、先輩に相談してください。

すぐに回答やヒントをくれる先輩や上司ばかりではないかもしれませんが、皆さんが、前向きに仕事に取り組む姿勢があれば、きっと励ましてくれたり、ヒントをくれる人が周りに現れるはずです。

社会人としての一歩を踏み出したわけですが、今後は仕事や業務を学ぶだけではなく、この不安定・不確定な時代を生き抜いていく胆力を練るための「旅」に出て、自分なりの正解にたどり着いて欲しいと思っています。

入社、本当におめでとうございます。

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著者: 中村亨

日本クレアス税理士法人|株式会社コーポレート・アドバイザーズ代表/ 公認会計士・税理士

富山県出身、大阪府立北野高等学校卒業。早稲田大学政治経済学部卒業後、公認会計士第二次試験合格・監査法人トーマツ(現:有限責任監査法人トーマツ)入所。2002年中村公認会計士事務所設立。後に「日本クレアス税理士法人」「日本クレアス社会保険労務士法人」「株式会社コーポレート・アドバイザーズM&A」「株式会社コーポレート・アドバイザーズアカウンティング」へ組織再編。株式会社エムアウト(取締役)、日本ファイナンシャルアカデミー株式会社(監査役)など兼務。趣味はゴルフ。

■日本クレアス税理士法人
https://j-creas.com/

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