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会計士 中村亨の「経営の羅針盤」第9回-コロナ禍から企業が立ち上がるためのヒント「両利きの経営」

皆さん、こんにちは。今日は、コロナというパンデミックで大きく変化する今後の企業の在り方を一緒に考えてみたいと思います。

まず始めにマクロ的な社会環境をまとめてみます。

デジタルから目を背けることはできない

1つ目のキーワードは「アナログ→デジタル化」です。

コロナの感染者を集計するのに、いまだにファックスというツールがメインだったと報道されたことに象徴されるように、「日本全体(企業も政府も)の生産性の低さの要因はデジタル化の遅れ」とし、政府はデジタル庁を創設しました。

脱ハンコ、ということで長い長い間の慣習を否定する姿勢を見せていますし、政府の本気度は今のところはそれなりのものだと思われます。

この方向性はどう考えても正しく、もともと「無駄なんじゃないのか?」という暗黙知があったわけですが、パンデミックによって日本の弱い部分が露呈した、ということでしょう。

また、デジタル化による大きなシフトの裏では、「マンパワー中心→IT中心(これが2つ目のキーワード)」という組織内のコスト構造のシフトも見逃せないものになります。

アベノミクス(2012年12月からスタートした安倍政権の提唱した金融緩和策を中心とした3本の矢、新3本の矢)により株価は上昇し、企業業績はそれなりに好調でした。

そのため「人手不足」問題が叫ばれ、人材が流動化したわけですから、やはり日本はマンパワー中心だったといえます。

ここ3、4年はRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)、AIへのシフトが叫ばれたものの、まだまだ一部の大企業だけが対象、という感が強かったわけですが、ようやくここにきて、人件費にメスを入れざるを得なくなった企業が本格導入を考え始めている、というのが私の感想です(これもパンデミックによる売り上げ減少という背景が大きいと思います)。

さらに、ITの浸透によって実現される概念である「DX(デジタルトランスフォーメーション)」にも注目ですね。

経済産業省は、コロナ禍で再認識された課題である企業のDXを促進するため、「令和3年度税制改正要望」で新たな税制措置を要望しています。(2020年11月30日の時点の情報です)

デジタル技術を「導入する」という考えは世界からもうすでに周回遅れ。今や「活用する」からその先、「活用した上で、どのように競争の優位性を確立するのか」という議論をしなければいけないステージにあります。

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