都市から地方へ、グローバルから地域自立へ
また、リモートワークの定着化やデジタル化によるオフィス革命により、オフィスを必要としない企業活動が盛んに叫ばれており、都市部を中心にした企業活動が大きく分散する可能性すら出てきました
3つ目のキーワードは「都市部一極集中→地方分散型」です。
集まって一定時間、仕事をすることが目的であったサラリーマン、仕事をしている姿を見て評価をするという企業という構図が、集まらなくていいから成果をださなければならないサラリーマン、姿かたちはどうでもいいけど成果を評価する企業、というカップリングに大きく変更していくことも容易に推察できます。
(メンバーシップ型からジョブ型への雇用の移行も実は大きなキーワードです)
さらにはグローバル化という名のもとに世界経済を1つとみなし、様々な意味での往来が盛んであることを前提に組み立てられていたフレームワークが崩壊し、地域での自立経済の必要性が見直され始めています
これが4つ目のキーワードで「グローバル化→自給自足型、地域自立型」とでも表現できますでしょうか。
海外旅行に行けない現状では、どうやったら海外に行った気分を味わえるか?が観光業の今後の課題の1つになり新しい形の観光業が生まれるかもしれませんし、製造業では部品の調達や、食品メーカーでは原材料の仕入れ等にも場合によっては大きな影響が出る可能性があります。
また、インバウンドや輸入ビジネスといったキーワードをどう新しい形にして立て直していくか?は大きな問題ですね。
明暗を分けるのは「リスクとの向き合い方」
また、今回のパンデミックにより、業種による明暗がはっきりと分かれました。
不動産、宿泊、観光、飲食、物品販売等の事業は大きな痛手を被ったことに間違いはありませんが、そのそれぞれの業種の中で個別の企業によって大きな差が出たことも推測できます。
その差は、リスクとの向き合い方の差であろうと思われます。
振り返ってみると、大震災、大豪雨、パンデミック、テロ事件(例えばかつてのオウム真理教事件)、古くはグリコ森永事件のような企業恐喝事件、金融ショック(リーマンショック、かつての日本の不良債権問題、銀行倒産)など、私が年を重ねたせいなのか、いわゆるリスク事象は比較的頻繁に起こっています。
企業はリスク対処から、リスク管理型の経営(リスクを想定した経営)に舵を切っていたか、どうか?で同じ業種でも大きな差が出たものと思われます
(すぐにテレワーク対応できたかどうか?飲食であればすぐにテイクアウト対応できたかどうか?)
5つ目のキーワードは「リスク対処型→リスク管理型」と考えています。
社会環境、すなわち企業を取り巻く環境の5つのシフトをピックアップしましたが、これらにシフトすることは特に中堅中小企業であれば容易ではありませんし、私自身の会社もまだまだシフトできていないかもしれません。
容易なことではないですね。
そこで今日はそのヒントというか突破口になる考え方を、いくつか書籍の紹介とともにしたいと思います。