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会計士 中村亨の「経営の羅針盤」第6回-コロナ禍で改めて問われる「ディフェンス力」の重要性 ~「景気後退期」や「危機下」こそ、財務経理機能をフル回転させよう~

皆さん、こんにちは。今日のコラムでは、経理部や管理部の在り方や存在意義、というものを真正面から取り上げたいと思います。
切り口を2つ設定しました。
1つ目は、不景気や業績悪化の折にはどうしてもコストカットの対象になりやすいのが管理部門であるという一般的な風潮があるがそれでいいのだろうか?という視点、2つ目は、1つ目の視点を踏まえての実例をあげ、大企業の再建フェーズにおける財務や経理という機能の重要性という視点で記述したいと思います。それでは今回もよろしくお願いします。

不景気ではバックオフィスの弱さが致命的、ディフェンス力の重要性

では、早速1つ目の視点について述べたいと思います。

経営者においては、バックオフィス、管理部門、というものは「コストセンターだ」と第一に考えてしまい、また業績次第では「コストカットの対象」としか見ない、という方が多いのではないでしょうか?

人手不足でなかなか欲しい人材が採用できない、という声も聞こえますが、一方で「経理などいらない」「事務員はコストになるだけだ」と考える風潮が特にオーナー色の強い中小、中堅、ベンチャー企業ではあるようです。

財務や経理はアウトソーシングすればいい、という声もよく聞かれます。

確かにそうです。

事実、私の経営する税理士法人でもサービスを提供しており、コスト面では企業様にとっては有意義な部分もありますし、人手不足解消の解決策といえますので、今でも多くの引き合いをいただいています。

問題は財務や経理のどの機能をアウトソーシングするか?です。

数字を作る機能はアウトソーシングしてもかまいません、きっとコストダウンも達成するでしょう。

しかし、出来上がった数字をどう経営に活かすか?ということに留意しないとアウトソーシングでコストを下げたとしても「安かろう、悪かろう」になってしまいます。

出来上がった数字を解釈し、企業経営に役立てる(これが本来の数値の「使われ方」であり「活かし方」ですね)ということを考えると、数字を作る機能をアウトソーシングしたとしても、数字を解釈し役立てることを考える機能は社内に残しておくことがアウトソーシング活用という視点では重要だと考えています。

数字を経営に活かす方法

数字を活かして経営に役立てる、といってもそれほど難しい話ではありません。

ここで、「活かし方」を網羅的に上げることはしませんが例えば以下のようなことがヒントになると思います。

・部門別や店舗別に過去の(実績の)損益計算をすると同時に、環境変化に応じたシミュレーションを行う

(環境が変わると、客数の変化や、価格の変更等、経営者はいろいろ思案しなければなりません)

・将来の投資額が変更になると、その回収期間や回収額の予測のシミュレーションを行う

こういったことは、環境変化によって未来の想定も変わる、だからそれを織り込んだシミュレーションが必要である、ということの事例になります。

数字を解釈し役立てることを考える機能である部門に対して「経理などいらない」「事務員などいらない」と考えてしまう経営者は、管理部門のコストダウンを計画的に、かつ、上手に行っていかない限りはいざというときに数字を経営視点に活かせません。つまり、「ディフェンス力」の弱い会社になっている可能性があるので注意が必要だということです。

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