2.業務費用
(1) 業務費用推移

2021年度の業務費用は523億円となり、前期比+8億円(+1.7%)となっています。
2020年度は+56億円(+12.3%)と大きく増加していましたが、2021年度は増加しているとはいえ、抑制された水準となっています。2017年度以降でみると、増収に伴い業務費用も増加したことでCAGRは+6.2%となっているものの、売上のCAGR+6.7%は下回っています。また2021年度の売上に占める業務費用の割合(業務費用比率)は95.4%となり、2018年度の99.8%をピークに直近3期は94~95%程度となっています。

他のBIG4の業務費用比率は97~99%程度であり、PwCあらたは比較的低コスト・高利益体質と言えます(「4.利益」参照)。
PwCあらたは、業務費用を「人件費」「賃借関連費用」「採用及び研修費用」「IT機器費用等及び通信費」「その他業務費用」の5つに分類しており、そのうち「人件費」は業務費用の7割を占める最大のコストとなっています。次に「人件費」の推移を見てみます。
(2) 人件費推移

2021年度の人件費は366億円となり、前期比+15億円(+4.4%)と増加しています。
人件費推移は売上や業務費用のグラフとよく似た形となっており、ここ5年間で見ると右肩上がりとなっています。2021年度は前期比+4.4%であり、売上+0.9%、業務費用+1.7%に比べると大きく増加しています。人件費の増加理由を紐解くため、人員数と1人当たりの人件費に分けてみてみます。
(3) 人員数推移

2021年度の人員数は3,008人となり、前期比△52人(△1.7%)となっています。
内訳を見ると、その他の事務職員△99人、公認会計士試験合格者等△52人に対して監査補助職員+84人、社員+11人、公認会計士+4人となっています。人員数こそ減少しているものの、比較的高コストな社員と公認会計士が増加しています。
(参考 人員数内訳)

(4) 1人当たり報酬給与・賞与推移

* 1人当たり報酬給与=報酬給与÷(期首期末の平均人員数)
* 2016年度の人員数が不明のため、2017年度は表示していない
2021年度の1人当たり報酬給与は967万円となり、前期比+105万円(+12.3%)と増加しています。
2018~2020年度は700~800万円台で推移していましたが、2021年度は967万円と1千万円に迫る水準となっており、前年と比べても10%以上の伸びとなっています。上述の人員構成の変化の他、業務量の増加に伴う残業代などが背景として考えられます。
以上より、人件費増加の主要因は単価の上昇にあると言えます。
(5) その他の業務費用
項目別の業務費用推移を見てみます。

人件費以外では、その他業務費用△7億円(△6.5%)、採用及び研修費用△2億円(△28.1%)、IT機器費用等及び通信費+2億円(+10.3%)となっています。減少している採用関連費用やその他に含まれる旅費交通費、また増加しているIT機器費用等及び通信費についてはコロナの影響があったかもしれません。またその他業務費用の半分以上を占める外注費が△4億円(△6.7%)と減少しているのが目立ちます。
(参考 その他業務費用明細)

以上、業務費用についてまとめると、単価の上昇による人件費の増加+15億円に対し、外注費や旅費交通費を中心としたその他業務費用の減少△7億円等により合計で+8億円(+1.7%)となっています。そして費用増加が売上増加を上回ったことで業務費用比率は94.8%から95.4%へと上昇し、増収減益決算となっています。(「4.利益 (1) 営業利益、営業利益率推移」参照)



