3.営業外収益費用、特別損益
営業外収益費用、特別損益項目について年度ごとの推移を見てみます。

2021年度は受取利息及び配当金が△5億円となっているほか、設備投資に関連したリース債務の増加に伴う支払利息の増加+0.6億円、固定資産除却損+0.6億円が目立ちます。それ以外では経常的に計上されている投資損失引当金関連の項目がありますが、2017年度の2億円を除き、金額的に大きなものは見当たりません。
続いて利益について見ていきます。
4.利益
(1) 営業利益、営業利益率推移

2021年度の営業利益は24億円で前期比△3億円(△11.9%)、営業利益率は4.6%で前期比△0.7%となっています。
増収決算に関わらず営業減益となっているのは、人件費を中心とした業務費用の増加が増収効果を上回ったためであり、これは2020年度と同じトレンドです。
営業利益率は低下傾向にあるとはいえ、4.6%という数字は他法人に比べるとかなり高くなっています。売上こそ他法人の半分程度ですが、利益ベースで見るとPwCあらたは有限責任 あずさ監査法人(以下あずさ)に次ぐ2位となっています。
(参考 2021年度 大手監査法人の営業利益及び営業利益率)

(2) 当期純利益、当期純利益率推移

2021年度の当期純利益は18億円で前期比△6億円(△24.8%)、当期純利益率は3.4%で前期比△1.2%となっています。
営業減益に加えて受取利息及び配当金の減少が響き、当期純利益ベースでも減益決算となっています。
5.その他
ここまで損益計算書を中心に見てきましたが、それ以外の項目についても見ていきます。
(1) 配当
PwCあらたは無配です。
なお他のBIG4に関しては、トーマツは有配と無配が混在、新日本は無配、あずさは継続的に配当を支払っており、法人間での政策の違いが見えます。
(2) 長期貸付金

2018年度以降、長期貸付金が計上されており、2021年度では4億円となっています。他のBIG4ではあずさが60億円程度、トーマツが1億円程度を計上しており、あずさに比べると小さな金額ではありますが、貸付金が監査法人の業務にどういった関連があるのかは不明です。
(3) 建物附属設備、リース

2021年度は建物附属設備+17億円、リース資産+31億円と大きく増加しています。附属明細書を見ると大手町オフィス関連で設備投資を行っており、一部の建物附属設備はリース契約に変更しているようです。
最後に

4大監査法人のうち、売上規模では他法人に劣るものの、非監査売上や利益の面で存在感を放つPwCあらた有限責任監査法人の決算を5期に渡り見てきました。非監査売上では「業務及び財産の状況に関する説明書類」を開示して以降、初めて減収となりましたが、全体としては監査売上にけん引されて5期連続の増収となり、また減益決算ではあるもののしっかりと高利益体質はキープしています。
次期以降は、他法人同様に増え続ける人件費をうまくコントロールできるか、また得意の非監査売上を成長軌道に戻すことが出来るか、さらには引き続きクライアント数を絞り込んでいくのか、注目です。
【参考】
・「令和3年版 モニタリングレポート」、公認会計士・監査審査会
【出典、引用】
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