コロナ感染のリスクを避けるべく、e-taxでの確定申告を考える人が増えたようです。一見難しそうですが、一度やってみると、紙の申告に戻れなくなるくらいラクに感じます。今回、e-taxにチャレンジしたい方向けに、大まかな流れを解説します。

■個人の確定申告がe-taxしやすい3つの理由

e-taxは個人でも法人でもできますが、いろいろ条件をクリアしなくてはなりません。しかし、「翌年3月15日まで」の個人の確定申告に限っては、かなりe-taxをしやすくなってします。次の3つの要素があるからです。

  • ●PCとスマホの両方で申告できる

通常のe-taxは、パソコンからしかできません。一方、最近は「スマホはあるけどパソコンはない」という個人の方が増えています。若い人ほど、この傾向です。

こういった事情を汲んでか、3月15日までの確定申告に限っては、パソコンだけでなくスマホからも申告できます。申告内容による制限はありますが、「医療費控除だけ申告したい年金生活者」「株式の配当や譲渡損失だけ申告したい正社員」だったら、スマホで確定申告を済ませられるのです。

【引用元】「スマホ申告の対象範囲が増えます」令和3年分確定申告特集(国税庁)

  • ●マイナンバーカード方式かID・パスワード方式のいずれかでできる

e-taxでは通常、利用者識別番号と電子証明が求められます。この電子証明は「マイナンバーカード」など、電子署名法が定める電子証明書のうち、e-tax利用ができるものに限られます。つまり、本来なら、個人の確定申告もプラスチックのマイナンバーカードがないとできないのです。

しかし現在、マイナンバーカードがなくてもe-taxはできます。事前に税務署に行き、身分証明書などで本人確認を行えば、e-tax用のIDとパスワードを発行してもらえるのです。

【引用元】e-Tax利用の簡便化の概要について(国税庁)を加工して作成

税務署でもらうIDとは「利用者識別番号」を言います。本来、「利用者識別番号」「電子証明書(本人確認)」「暗証番号」の3セットでe-taxを行うのですが、税務署での身分証の確認が電子証明の代わりになっているわけです。

ID・パスワードはマイナンバーカードがあれば自宅から申請することもできます。ただ、カードがあるならカードでe-taxをした方が現実的です。そのため、こちらの説明は割愛します。

なお、パソコンでもスマホでも、マイナンバーカード方式(以下「マイナンバー方式」)もID・パスワード方式(以下「ID・PW方式」)も可能です。ただし、スマホでマイナンバー方式の申告をするなら、事前にマイナポータルアプリのインストールが必要になります。ICチップの読取ができるスマホでないと確定申告できません。