令和4年10月1日から、常時5人以上の職員を雇用している税理士は、厚生年金保険及び健康保険、いわゆる「社会保険」の強制加入事業所になる。現在、法人の事業所はすべて社会保険に加入する必要があるが、個人事業所は対象外だったことから、今後、対応に追われる事務所は増えそうだ。

令和2年5月に成立した新年金制度により、同4年10月1日から常時5人以上の職員を雇用する個人の士業事務所は、社会保険(厚生年金保険・健康保険)の強制適用事業所になる。
対象となる士業は10士業。
- ・税理士
- ・公認会計士
- ・弁護士
- ・司法書士
- ・行政書士
- ・土地家屋調査士
- ・社会保険労務士
- ・弁理士
- ・公証人
- ・海事代理士
現在は、税理士法人などの法人事務所は、社会保険に加入することが義務付けられているが、従業員が5人未満の小規模な個人事業所では社会保険の対象外とされてきた。
厚生労働省では短時間労働者を被用者保険の適用対象とすべき事業所の企業規模要件(現行、従業員数500人超)を段階的に引き下げ、令和4年10月に100人超規模、令和6年10月に50人超規模。賃金要件(月額8.8万円以上)、労働時間要件(週労働時間20時間以上)、学生除外要件については現行のままとし、勤務期間要件(現行、1年以上)については実務上の取扱いの現状も踏まえて撤廃し、フルタイムの被保険者と同様の2カ月超の要件を適用することとする。加えて、強制適用の対象となる5人以上の個人事業所の適用業種に、弁護士、税理士などの士業を追加した。これにより、勤務税理士・従業員の「協会けんぽ」と「厚生年金」への加入が義務付けられる(事業主は社会保険の適用とはならない)。