■IPOにおける証券会社の役割

企業がIPOをするにあたって、重要な存在となるのが証券会社です。証券会社は、主に次のような役割を担います。

・上場に向けて企業を支援する

上場を目指す企業は、内部管理体制の整備などを進めますが、その際に主幹事の証券会社が、IPOの準備について指導や助言をします。

・証券取引所へ推薦をする

企業が証券取引所に上場申請をするには、証券会社の推薦が必要となります。上場を申請する前に、主幹事証券会社の引受部門による審査も行われます。

・上場時のファイナンスを行う

投資家への新規公開株式の販売は、主幹事や幹事の証券会社によって行われます。

IPOでは、新規公開株式の販売前は株価の市場価格はありませんので、新しく公募価格を決定する必要があります。その際に、証券会社を通して投資家によるブックビルディングが行われます。証券取引所によって企業の上場が承認されたら、主幹事証券会社が、新規公開株式の公募価格の仮条件を決定します。仮条件では、たとえば2千円~2500円というように幅を持たせて設定されるので、投資家は、その仮条件の範囲内で購入したい価格と株数を意思表示します。この中でもっとも多かった金額が、公募価格となります。

IPO投資は購入したい投資家の数が多いため、抽選が行われます。このブックビルディングに参加した投資家のうち、抽選で選ばれた人が株式を購入することができます。特に話題となっている企業が上場する際には、多くの申し込みが寄せられて抽選は激戦となります。