IPOにおける証券会社の役割
企業が上場するにあたって、証券会社の存在は欠かせません。証券会社の主な役割は次のようなものになります。
・企業の上場準備の支援
企業が上場するには、証券取引所の審査を通過する必要があります。そこでは、企業の財務状況や成長性に加えて、適正な会計を行うための体制や投資家に情報を開示する体制の整備状況なども確認されます。証券取引所の審査に向けて企業では何年もかけて準備を進めますが、その際に主幹事の証券会社が企業のアドバイザーになって支援を行います。
・上場申請にあたっての推薦
証券取引所の審査を受けるに先立って、主幹事証券会社による審査が行われます。これは引受審査と言われるもので、企業の成長性や内部体制などが審査されます。これに通過すると、企業は主幹事証券会社による推薦書を証券取引所に提出します。
・上場時の株式の引受
上場が決まったら、次は投資家に対して株式の公募・売出しを行います。この際、上場する企業が投資家に直接販売するのではなく、主幹事や幹事の証券会社が株式の引受・販売を行います。
IPO投資のメリット・デメリット
次に、新規に上場する企業の株式を売買するIPO投資について、そのメリットとデメリットを見てみましょう。
■投資家にとってのIPO投資のメリット
・短期的に利益を出しやすい
上場が決まったあと、投資家に販売される株式の価格を「公募価格」と言います。その後、上場すると市場での価格が付きますが、初めて付いた株価を「初値」と言います。公募価格は比較的割安に設定されることが多く、初値が公募価格を上回るケースが大半です。投資家にとっては、公募価格で購入して初値で売却すれば、短期で利益を得ることができます。
・成長が期待できる企業を見つけられる
新しく上場する企業の多くが、東京証券取引所の「グロース市場」に上場します。グロース市場は、以前のマザーズ市場などが移行したもので、高い成長可能性を有する企業向けの市場です。この市場に企業が上場するにあたって、事業の成長性や継続性などを審査されます。その審査を通過して上場する企業は、将来性を高く期待されている企業と言えます。
・投資の初心者が取り組みやすい
初めて株式投資をする人にとっては、どの銘柄に投資をしたらよいかは判断に悩むところです。通常は、企業の業績や事業計画を確認して、今後の株価が上がりそうかどうかを見極める必要がありますが、IPO投資は、銘柄の選別に時間をかけることなく短期的な利益が出しやすいので、初心者が挑戦しやすい投資と言えるでしょう。
■投資家にとってのIPO投資のデメリット
・当選確率が低い
IPO投資は人気が高いため、新規上場株式を購入する場合は抽選となります。当選確率は上場する企業によって変わりますが、全体的に当選確率は低いため、申し込んでも購入の権利はなかなか手に入りづらいものです。
・資金の拘束が必要
証券会社によっても異なりますが、抽選に参加するにあたり、購入のための資金を用意しておかなければならない場合があります。証券会社の口座に購入できるだけの資金を預けることになり、抽選が終わるまでその資金を動かせなくなります。
・上場後の株価の動きが激しい
上場直後の株価は大きく動きやすい傾向にあり、上場後に株価が大きく上昇することもあれば、大きく下がることもあります。株価の動きを注視しておかないと、急激に値下がりして損失を抱えてしまう可能性もあります。



