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◇法定納期限とは

税法の規定により国税を本来納付すべき期限で、納税義務の消滅時効の起算日とされ(国税通則法第72条第1項)、また、法定納期限の翌日が延滞税の計算期間の起算日とされています(国税通則法第60条)。

◇具体的納期限とは

納付すべき税額の確定した国税を実際に納付すべき期限で、この期限は納税者に与えられた権利であり、原則として期限の利益を奪うことは許されません。

したがって、納税者に還付金が発生していて、他に納付すべき税額の確定した国税があったとしても、その具体的納期限より前にその還付金を充当することは原則としてできません。

半面、実際に納税義務を履行すべき期限であり、その期限までに完納されなかった場合には履行遅滞を生じ、督促状を発送する基準日ともなり(国税通則法第37条)、督促から滞納処分へと強制徴収手続が進められます。

通常は、1. 法定納期限以前に納付すべき税額が具体的に確定しますので、法定納期限と具体的納期限とは一致しますが、2. 法定納期限後に納付すべき税額が確定(例えば、期限後申告や修正申告)した場合には、法定納期限と具体的納期限とが異なることとなります。

※納税者から書面による「充当の申出書」(特に書式はありません。)があったときは、その申出の日を充当適状日として充当することができます。

◇具体例として

所得税の確定申告を例に説明しましょう。

「国税を本来納付すべき期限」とは、所得税の確定申告期限の3月15日です。

また、「納付すべき税額の確定した国税を実際に納付すべき期限」も同様に3月15日ですので、この場合の法定納期限と具体的納期限は一致することになります。

仮に、確定申告を4月11日に期限後申告した場合には、その申告書の提出日に具体的に納付すべき税額が確定しますので、法定納期限と具体的納期限とが異なることとなります。

この場合の延滞税は、法定納期限の翌日の3月16日から計算されます。

さらに、その後6月7日に修正申告をした場合には、その修正申告に係る具体的納期限は同じく6月7日となり、延滞税は法定納期限の翌日の3月16日から計算されます。