AV業界のレジェンド・里美ゆりあ(31)の「2億4500万円所得隠し」のニュースが注目を集めている。里美ゆりあといえば、ショートカットに大きな瞳、くびれたウエストから溢れる色香が世の男たちを骨抜きにし、平均寿命2〜3年といわれるAV業界にあって今年で実に9年目を迎えるという実力派。そんなゆりあ嬢がなんと、税務調査で所得隠しを指摘され、1億円を超える追徴課税を受けたのだという。隠していたとされる所得について本人が「慰謝料」と主張しているというが、果たしてその真意は…

リョーチョーが動いた

AV業界のレジェンド・里美ゆりあ嬢の所得隠しを指摘したのは、「リョーチョー」の隠語で恐れられている東京国税局資料調査課。悪質困難事案を手掛ける精鋭ぞろいの部署で、その威力は強制調査の査察(マルサ)を凌ぐともいわれる。

税務調査では、2007年から2013年までの7年間で約2億4500万円の所得を得たにもかかわらず、一度も申告していなかったことが発覚。所得税本税に、延滞税や無申告のペナルティである40%の重加算税などを加えた合計約1億1500万円が追徴課税されたという。

2億4500万円の所得隠しとなれば「リョーチョー」が動くのも頷けるが、それにしても1本当たりのギャラ相場が50〜100万円といわれるAV業界で、年間出演本数10〜15本程度の彼女がどうやってそんな大金を稼いだのだろうか。

これについては一部報道で、AV女優「里美ゆりあ」としての報酬は約4500万円分のみ、残りの約2億円は個人的に相手をした男性4名から5千万円ずつ受け取っていた、と伝えられている。お相手は会社社長や医師など、お金持ちそうな職業ばかり。なるほどパトロンからの「お手当」が所得を膨らませていたということか——とつい思ってしまうのだが、本人はこの2億円について「結婚を条件に付き合っていたが成就しなかったことに対する慰謝料」だと主張、異議申立てまでしているのだという。
受け取った金銭の名目にそこまでこだわるのは、税負担が大きく違ってくるためだ。

「慰謝料」税務は実態で判断

税務上、心身に加えられた損害について加害者から支払われた慰謝料や見舞金は、非課税扱いとされている(所得税法第9条)。ただし、「社会通念上それにふさわしい金額のものに限られる」(国税庁)。慰謝料の金額が「社会通念上ふさわしくない」と判断された場合、その高すぎる部分は贈与税の対象。贈与税には年間110万円の非課税枠があり、それ以下なら全額非課税となる。

ただしこれは、「慰謝料」としての実態があればの話。「慰謝料」という名目で支払われた金銭でも、「収入金額に代わる性質を持つものや、役務の対価となる性質を持つものは非課税所得から除かれる」(国税庁)。

今回の一件はまさにこのケース。ゆりあ嬢が「慰謝料」だと主張した金銭は、税務調査であっさり「役務の対価」と判断されて根こそぎ課税所得となり、延滞税がつき、金額の大きさなどもろもろ引っかかって重加算税という重いペナルティがついて、追徴税額が雪だるま式に膨れ上がったようだ。