督促状から10日を経過すると差押えを受けるが具体的にはいつなのか、3月15日が土曜日だと確定申告はいつまでに提出かなどについて、元国税徴収官が分かり易く説明します。
◇ポイント
期間の計算には、「初日不算入の原則」といって、初日はカウントしません。
したがって、税法用語の「~日から」や「~日から起算して」といった場合の初日は計算期間に含みません。
詳細は、後述の「期間の計算の具体例」の用語1及び2を参照してください。
なお、1カ月や1年といった場合には暦によって計算しますが、30日や365日のような日数で計算するのではなく、翌月における起算日に応当する日(以下「応当日」)や翌年における応当日のそれぞれ前日を期間の末日として計算します。
また、申告や申請などの期限が日曜日や祝日などに当たるときは、これらの日の翌日が期限とみなされます。
例えば、3月15日が土曜日の場合の確定申告は、3月17日が期限となります。
◇期間とは
期間とは、ある時点からある時点までの時間の継続した時の区分をいいます。
期間は“時効”を始める種々の法律関係において意味をもっています。
◇期間の計算
国税では、日、月または年をもって定める期間の計算は次により行います(国税通則法第10条第1項)。
ただし、「2月16日から3月15日まで」(所得税法第120条第1項)のように、確定日から確定日までと定めている期間については、期間の計算を行う必要がありませんので、期間計算の規定は適用されません。
○起算点
1.初日不算入
期間の初日は算入せず、翌日を起算日とするのが原則です(国税通則法第10条第1項1号本文、民法第140条本文)。
2.初日算入
期間が午前0時から始まるとき、または特に初日を算入する旨の定めがあるときは、初日を起算日(初日算入)とします(国税通則法第10条第1項1号ただし書)。
○計算と満了点
1.暦による計算
期間が月または年をもって定められているときは、暦に従って計算します(国税通則法第10条第1項2号、民法第143条)。
暦に従うとは、1カ月を30日または31日とか、1年を365日とかというように日に換算して計算することではなく、例えば、1カ月といった場合は、翌月における起算日に応当する日(以下「応当日」)の前日を、1年といった場合は、翌年における起算日の応当日の前日を、それぞれの期間の末日として計算することをいいます(国税通則法第10条第1項3号)。
2.満了点
月または年の始めから期間を起算するときは、最後の月または年の末日の終了時点(午後12時)が期間の満了点です。
月または年の始めから期間を起算しないときは、最後の月または年において起算日の応当日の前日の終了時点が期間の満了点です。
この場合、最後の月に応当日がないときは、その月の末日の終了時点が期間の満了点です。
したがって、「1月30日の翌日から起算して1カ月を経過する日」といった場合には、起算日の1月31日に応当する日の2月31日はありませんので、2月28日(29日)が経過する日となります。
○期間の計算が過去に遡る場合
期間の計算が過去に遡る場合には、その起算日が「法定納期限の1年以上前」(国税徴法第35条第1項)のように、丸1日として計算できる場合を除いて、その前日を第1日として過去に遡って期間を計算します。




