「持続可能」な企業となるために

SDGsの肝と言っても良いこのワード「持続可能な世界」についてです。

SDGsの初回のコラム(第23回コラム)で、「今や企業と社会、企業と世界は一連托生の関係です」とお話ししました。

ここまでいろいろなお話しをしてきましたが、この考えは変わっていません。

つまり「持続可能な世界」の実現のためには「持続可能な企業」であることが必要です(そもそもこれから生き残れる会社であろう!というところが発端で、SDGsの取り組みと実践についてお話を進めてきたわけでした)。

これからは、自社の持続可能性を高めるため(そしてSDGsを発展させていくため)、これまでのSDGsの実践だけではなく、さまざまな角度から、自社を見直し、変化を起こし、持続可能な状態をつくる、あるいは強化していくことが必要となってきます。

日本の組織の多くは「ピラミッド型」です。

皆さんご存じかとは思うのですが、簡単に解説しておきますと、ピラミッド型組織とはトップに最も権力が大きい者(経営者)を配置し、そこから権力が大きい順に(部長→課長→係長…と)職員が配置されている組織です。

権力が階層をダイレクトに表しており、「階層型組織」と呼ばれることもあります。

この組織体制は、トップに権力が集中しているため、変化やスピードには弱く、危機対応に長けているとは言えません。

トップ一人が優秀でも、その人に何かあったとき、その企業は倒れてしまいかねません。

そのように、危機対応に弱い企業が、持続可能性が高い企業、と言えるでしょうか。

これは日本に限らず世界全体で起こっている問題です。

そうして今注目されてきているのが、「グリッド型組織」です。

リーダーシップをとれる動力源が組織の内部にグリッド状に存在し、トップ一人ではなく優秀な複数のリーダーが存在して、柔軟にさまざまな角度から物事を判断、行動していくことができる組織のモデルです。

つまり、変化やスピード感に長けており、危機対応に強く、持続可能性が高い、と言える組織だと思うのです。

リーダーシップの欠如や、指揮命令系統の複雑化など不安要素もあると言われていますが、それはシンプルにグリッド型組織として機能していないということであって、うまく機能したグリッド型組織は、ピラミッド型組織よりも現在の変化の激しい(あるいは速い)現代社会にはフィットしていくだろうと推察しています。

現在の企業は、このグリッド型組織を目指していく必要があるのではないでしょうか。

先ほどの雇用の話の続きになりますが、新しい分野・事業の雇用を始めて、自社の組織体系に変化が起きます。これを機に、組織のあり方自体も変化させていく、ということも可能であると思います。

むしろ、そのようなきっかけがなければなかなか思い切った組織構造の改革はできないというものです。

筆者も常日頃、自社の組織体制の構築、そしてリーダーの育成に奮闘しているところです。

「持続可能」な企業の姿

上記に紹介した組織体制の話以外にも、持続可能性の高い企業をつくっていく方法はまだまだあると思っています。

以下にいくつかをご紹介します。

  1. 「稼ぐ」ということの発想の転換
  2. 個々が主体性・自律性を持った企業活動
  3. 共感を得る企業づくり

1. 「稼ぐ」ということの発想の転換について、先ほどのターゲットの考え方と近いものになりますが、「お金になることは何か」という視点から「どのようにしてお金になるものを生み出すか」という視点を持つことが、これからの社会では求められます。今はもう、シンプルに自社だけが儲かれば良い、という時代ではないからです。ただ儲かっていればその企業が社会的に認められ、評価されるかというと、違うからです。「稼ぐ」という概念自体の根本的な意識改革が必要でしょう。

2. 主体性・自律性を持った企業活動は、先ほどのグリッド型組織の考え方と近いものになります。これからの企業にとって大事なことは、権威に依存しない自律的な考え方と、あわせて個々が主体的に物事を思考・判断し本音で行動していけることです。仮にSDGsの取り組みを例にとってみても、「世間ではこう言われているから」「上司がこう言ったから」という受け身な姿勢でいると、あっという間に世界の変化や思わぬ危機に飲み込まれてしまいます。情報を得る→自分で考える→周囲とコンセンサスをとる→行動する、こういった主体的、自律的な企業の体制が重要なものとなっています。

3. 共感を得る企業づくりですが、筆者はここを一番大事にしたいと思っているものです。人の心を掴むのは、最終的には共感ではないでしょうか。もちろん、いつもいつも他人に共感し、イエスマンであれ、ということではありません。しかしこちらの正義を真っ向からぶつけて、人を正そう諭そうとするのでは、こちらの意図は相手に伝わりません。相手を受容してこそ、こちらの意志や想いが初めてちゃんと伝わるものだと思うのです。そもそも共感を得られない企業活動に、果たしてお金や人が集まるでしょうか?共感を得てこその企業活動であると筆者は考えています。

 

いかがでしたか?

SDGs発展編は以上となります。

ここまでSDGsの話にお付き合いをいただき、ありがとうございました。

筆者も勉強しながら本コラムを書いていましたが、これからも学び続けて(持続して!)、一企業の代表として、少しでも社会に貢献していければと、日々邁進しています。

これをきっかけに本コラムに興味をお持ちくださった方、引き続き次回以降も(テーマは変わりますが)、目を通していただけると嬉しいです。

(関連記事)

会計士 中村亨の「経営の羅針盤」

第23回-SDGsと企業のかかわり

第24回-SDGsと企業のかかわり/その2

第25回-SDGs実践編/その1

第26回ーSDGs実践編/その2

第27回―SDGs実践編/その3

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