ふるさと納税の寄付金控除に関する証明書って何?

国や地方公共団体(ふるさと納税)、特定公益増進法人などに対し、2,000円を超える寄附をした場合には、寄附金控除の適用を受けられます。

従来、ふるさと納税をはじめとする寄附金控除の適用を受けるには、特定寄附金の受領者が発行する寄附ごとの寄附金の受領書等を確定申告書に添付する必要がありました。

寄付金の受領書は、寄付先それぞれから発行されるので、寄付金控除を受けるために、確定申告の際にすべての受領書を添付しなければなりません。

しかし、2020年以後の確定申告からは、寄附先ごとの寄附金の受領書に代わり、特定寄附金の受領者が地方団体であれば(特定寄附がふるさと納税であれば)、特定事業者が発行してくれる年間寄附額が記載された「寄附金控除に関する証明書」を添付するだけで確定申告ができるようになりました。

これによって、寄付した自治体から送付されてくる「寄附金の受領書」を何枚も管理したり、郵送を待つ必要がなくなりました。

以下では、この寄付金控除に関する証明書について詳しく解説していきます。

寄付金控除に関する証明書は寄付金の受領証の代わり!

特定事業者と呼ばれる国税庁長官が指定した事業者を通じてふるさと納税を行った場合、その事業者から寄付金控除に関する証明書をダウンロードすることができます。

従来までは、寄付ごとの寄付金の受領書を確定申告書に添付していましたが、令和3年以降は、特定事業者があなたがどこにいくら寄付したかをまとめた寄付金控除に関する証明書を発行してくれるようになったので、これを確定申告書に添付することができるようになりました。

つまり、寄付金受領書に代わって、寄付金控除に関する証明書を添付するだけで確定申告ができるようになったのです。

なお、これまでと同様、自治体が発行する「寄附金の受領書」で確定申告を行うこともできますが、この場合、寄付した自治体ごとの受領書を管理する必要がありますし、郵送を待つ必要があります。

さらに、1枚ずつ確定申告書に添付しなければならない点に留意してください。

寄付金控除に関する証明書を発行できる特定事業者

令和5年1月13日現在の国税庁長官が指定した特定事業者は以下のとおりです。

表示番号 ポータルサイト名 特定事業者 法人番号
FN ふるなび 株式会社アイモバイル 4011001059087
SF さとふる 株式会社さとふる 9010401112780
RA 楽天ふるさと納税 楽天グループ株式会社 9010701020592
FC ふるさとチョイス 株式会社トラストバンク 8011001073076
TK ふるさとパレット 東急株式会社 7011001016291
FP ふるさとプレミアム 株式会社ユニメディア 6010001082956
PL ふるさとぷらす 株式会社エスツー 2370001014200
CS セゾンのふるさと納税 株式会社クレディセゾン 2013301002884
AN ANAのふるさと納税 全日本空輸株式会社 1010401099027
FH ふるさと本舗 株式会社ふるさと本舗 5011001120491
MI 三越伊勢丹ふるさと納税 株式会社三越伊勢丹 4011101059648
JL JALふるさと納税 株式会社JALUX 6010701004711
AU au PAY ふるさと納税 KDDI株式会社 9011101031552
AF ふるラボ 朝日放送テレビ株式会社 8120001204927
IF ふるさと納税ニッポン! アイハーツ株式会社 5012401021296
GF G-Call ふるさと納税 株式会社ジーエーピー 5010701013402
AN ANAのふるさと納税 ANA あきんど株式会社 8010401046352
JR JRE MALL ふるさと納税 東日本旅客鉄道株式会社 9011001029597

(引用元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/koujyo/kifukin/tokutei.htm

上記の事業者は特定事業者であるため、寄付金控除に関する証明書を発行することができます。

寄付金控除に関する証明書の発行方法

上で説明した特定事業者は、寄付金控除に関する証明書を発行する場合に、次の要素を必ず記載しなければなりません。

  1. 寄附者の氏名、住所
  2. その年中に仲介した寄附者の寄附総額(年間寄附額)
  3. 特定事業者が寄附を管理している番号(寄附番号)
  4. 寄附年月日
  5. 寄附先の名称及び法人番号
  6. その他参考となるべき事項

(引用元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/koujyo/kifukin.htm

1から6(2については寄附ごとの金額)の事項については、寄附先の地方団体に連絡する必要があります。

寄付金控除に関する証明書の記載例としては、次のようになります。

(引用元:https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/shinkoku/kakutei/koujyo/kisairei.pdf

寄附金控除に関する証明書は、マイナポータル連携や運営するポータルサイトからのダウンロードで電子データを得られることに加え、郵送などの方法でも発行可能です。

寄付金控除に関する証明書はどう活用する?

寄附金控除に関する証明書の発行を受ければ、次の方法で確定申告を行うことが可能です。

1. 証明書データをe-Taxを活用して確定申告書に添付して送信する

確定申告書等作成コーナーにおいて寄付金控除に関する証明書のデータを活用すれば、自動で控除額の計算ができます。

この方法であれば、個々のデータを入力する必要がありません。

証明書のデータは、マイナポータル連携による取得もしくは、特定事業者のポータルサイトからダウンロードすることができます。

2. 紙の証明書を確定申告書に添付する方法

特定事業者のポータルサイトからダウンロードする方法は、各事業者のポータルサイトからダウンロードするだけでとても簡単です。

ダウンロードした寄付金控除に関する証明書を紙の確定申告書に添付すれば、確定申告を行うことができます。

他方で、マイナポータル連携によるデータ取得を行えば、証明書データを自動反映させて控除額の計算を行うことができ便利です。

そこで以下では、ふるさと納税におけるマイナポータル連携の手順を詳しく解説します。

マイナポータル連携の手順と申告方法

すでに説明したように、確定申告書への証明書の添付なしで寄付金控除を受けるためには、e-Taxを利用して確定申告を行う必要があります。

ふるさと納税を行った方が寄付金控除の申告をe-Taxを使って行うためには、マイナポータルとの連携が必要です。

以下では、マイナポータルとの連携手続きについて詳しく解説していきます。

マイナポータルの利用者登録

まずは、マイナポータルを利用する初期設定として、利用者自身の情報をマイナポータルに登録しなければなりません。

マイナポータルにはメールアドレスの登録が必要です。

登録したメールアドレスに対してマイナポータルからメールが送付されますが、メール通知希望については、利用者登録画面で設定することが可能です。

マイナポータルとe-Taxの連携

次に、マイナポータルとe-Taxの連携を行います。

マイナポータルとe-Taxを連携するためには、マイナンバーカードでマイナポータルにログインして、マイナポータルの「もっとつながる」から初期設定を行う必要があります。

e-私書箱のアカウント作成とe-私書箱とマイナポータルの連携を行う

マイナポータルとe-Taxの連携を行ったら、次はe-私書箱のアカウント作成とe-私書箱とマイナポータルの連携を行います。

e-私書箱とは、行政や企業との電子交付・申請を提供するサービスです。

e-私書箱のアカウントがないと、マイナポータルを経由した確定申告で各種証明書を受け取ることができません。

「寄附金控除に関する証明書」の電子発行手続き

確定申告期間となったら、ふるさと納税を利用した事業者のホームページから、「寄付金控除に関する証明書」の電子発行手続きを行います。

なお、事業者によって電子発行手続きができる期間は異なるので注意してください。

e-私書箱とふるさと納税事業者との納税の連携

次に、e-私書箱とふるさと納税事業者との納税の連携を行います。

これを行うことで、ふるさと納税事業者からe-私書箱を通じて、マイナポータルにデータを取得することができるようになります。

確定申告書を作成し、すべての書類をe-Taxより税務署へ提出

最後に、国税庁の確定申告書作成コーナーから、e-Taxを利用して確定申告を行います。

まとめ

e-Taxを使って寄付金控除の申告を行うことで、ふるさと納税の寄附金控除額の集計が簡単になり、ペーパーレス(紙の寄附金受領証明書が不要となること)で申告ができます。

従来とは異なり、自治体などの寄付先より電子的に交付された「ふるさと納税の寄附金受領証明書」の電子データについて、マイナポータルからe-Taxにデータ連携を行なうだけの手続きで、とっても簡単に申告ができるようになるので便利です。


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