確定申告の期限が間近に迫りました。間に合わないとペナルティが生じます。だからがんばるしかないのですが、コロナにかかったときは別です。「本人の自助努力ではどうにもならない事情」として、ある救済策を使うことができます。
この記事の目次
確定申告が期限に遅れた場合のペナルティ
確定申告が期限に遅れると、ペナルティが生じます。
これに加え、個人事業主や不動産オーナーだと、期限内申告だったら受けられるはずの特別控除が小さくなります。
無申告加算税
期限に遅れて申告すると、無申告加算税がかかります。
無申告加算税でかかる金額は本来、次の通りです。
- 納付税額のうち50万円以下の部分…納付税額×15%
- 納付税額のうち50万円超の部分…(納付税額-50万円)×20%
ただし、次のどれかにあてはまるなら無申告加算税はかかりません。
1.法定申告期限から1カ月以内に自主的に期限後申告をした
※今回の確定申告なら、4月15日までに申告すればいいわけです。
2.「法定納期限までに納税している」「過去5年間、無申告加算税や重加算税を科されていない」の両方により、期限内申告する意思があったと認められること
また、税務調査を受ける前に自主申告すると「納付税額×5%」に軽減されます。
なお、いったん行った申告での納税額が少なすぎたり、あるいは還付額が多すぎたりして申告のやり直しをすると「過少申告加算税」がかかります。
ただ、今回は「単純に期限に間に合わなかったとき」がテーマなので過少申告加算税の話は割愛します。
重加算税
税金を逃れるべく事実を偽装した(仮装)、あるいは隠し(隠ぺい)したと認められるときにかかるペナルティです。
単なるうっかり忘れではなく、「契約を偽装した」「架空の領収書を作成する」など悪意のある行為が認められたときに科されます。
重加算税は、無申告加算税に代えて一律「納付税額×40%」で科されます。
延滞税
延滞税は納付が法定納期限より遅れたときにかかるペナルティです。
次のように計算します。
【引用元】延滞税の計算方法(国税庁)
「法定納期限から2カ月以内に納付したかどうか」で延滞税の割合も金額も変わります。
延滞税の割合は2023年現在、次のようになります。
- 法定納期限から完納する日または2カ月を経過する日までの延滞税の割合…2.4%
- 法定納期限から2カ月を経過した日から完納する日まで延滞税の割合…8.7%
延滞税の割合は本来もっと高く、2カ月以内で7.3%、2カ月過ぎると14.6%です。
しかし、現在の延滞税特例基準割合を元に計算した割合の方が低く、こちらを採用できる規定になっているため、低い割合となっています。
なお、特例基準割合は毎年変わります。
青色申告の特別控除は一律10万円に
事業所得や不動産所得で特別控除額が65万円か55万円の人は要注意です。
3月15日を過ぎて申告すると一律10万円に減ります。
「65万円」「55万円」は期限内申告が条件だからです。