個人事業主がふるさと納税を行う節税以外のメリット
個人事業主がふるさと納税を行う場合、節税メリットを享受できることはもちろん、それ以外のメリットがあります。
以下では、ふるさと納税の節税以外のメリットについて解説していきます。
返礼品がもらえる
ふるさと納税をすると、自治体によって返礼品をもらうことができます。
ふるさと納税を通じて各自治体に寄付を行うと、その地域の特産品などを返礼品として受け取れます。
ただし、2019年6月に総務省は寄附金額に対する返礼品の金額の割合を上限30%と定めました。
この30%という数字は、返礼品の調達費の30%という意味です。
この30%は、仕入れ値を基準にした割合であることに注意してください。
所得税の申告手続きの中でできる
個人事業主が利用できる控除制度は様々ですが、その手続きが煩雑なものも多いです。
その中でもふるさと納税制度は、確定申告時に自分で申告をするだけで税額控除を受けられるので、手続きが煩雑となりません。
個人事業主がふるさと納税をする場合の注意ポイント
個人事業主の方がふるさと納税をする場合は、以下のポイントに注意してください。
個人事業主はワンストップ特例制度が利用できない
個人事業主の方は、ワンストップ特例制度を利用することができません。
ワンストップ特例制度とは、確定申告を行わずにふるさと納税の寄付金控除ができる仕組みのことを言います。
ワンストップ特例は、もともと確定申告をする必要がない方を対象とした仕組みです。
具体的には次のような方がワンストップ特例を利用できます。
- 年末調整だけで所得の申告が完結する給与所得者(正社員、派遣社員、バイト・パート)
- 公的年金の受給者であって確定申告を行わない方
個人事業主の方は、原則として自分で確定申告を行わなければなりません。
そのため、個人事業主の方はワンストップ特例制度を利用することができません。
年間の事業収入の変動に注意しないといけない
年間の事業収入の変動に注意してください。
個人事業主の方は、事業がうまく行っていれば、大きく事業収入が増えるはずです。
一方で、事業がうまく行っていなければ、大きく事業収入が減ることも考えられるでしょう。
このように、個人事業主の事業収入は大きく変動するのが普通です。
そのため、ふるさと納税の上限額も大きく変動することに注意してください。
ふるさと納税の上限額は、対象年度の課税所得金額に応じて変わります。
前年度の事業収入と今年度の事業収入の差が大きい場合は、特に注意しましょう。
ふるさと納税をしても節税効果は実感しづらい
ふるさと納税をすると、翌年の6月〜翌々年5月の住民税を少なくすることができます。
しかし、前年度のふるさと納税の結果、所得税・住民税が少し安くなるだけで、タイミングに差がありますから、税軽減の効果を実感しにくくなっています。
ふるさと納税の結果、どのくらい所得税・住民税が軽減されるかは住民税の決定通知書によって確認することができるので、上手に活用してください。
まとめ
個人事業主の方も、ふるさと納税をすることで納めるべき所得税・住民税を安くすることができます。
ふるさと納税を通じて寄付をすることで、返礼品をもらうこともでき、特定の地域の振興を促すことにも繋がります。
ふるさと納税は、自身の所得額に応じて上限額が決まっているので注意しましょう。
取材記事のお問い合わせはこちらから
◆最新記事はKaikeiZine公式SNSで随時お知らせします。
◆KaikeiZineメルマガのご購読(無料)はこちらから!
おすすめ記事やセミナー情報などお届けします。
【メルマガを購読する】