なぜ税理士試験の合格率は低いのか?
上で説明してきたように、税理士試験の合格率はおよそ15%とかなり難しい試験となっています。
以下では、なぜ税理士試験の合格率が低くなっているのかについて解説していきます。
税理士試験に合格する年齢層が高い
税理士試験は他の試験と違い、合格する年齢層が高いという特徴があります。
ベテラン受験者が多いことで難易度が引き上げられているのです。
税理士試験は科目試験制度のため、合格を目指すのに数年を要する試験です。
たとえば、最初の科目試験に25歳で合格した場合でも、10年かけて税理士になると35歳になります。
実務経験を積んだ後に税理士を目指すケースもあるため、合格者の年齢層が高くなる傾向があります。
また、科目免除制度も難易度が引き上げられている要因です。
税理士試験では特定の条件を満たすと、一部の科目が免除されます。
大まかに言えば、資格による試験免除(弁護士や公認会計士は全科目免除)、学位取得による科目免除、国税従事者の場合の科目免除があります。
特に、国税従事者の場合の科目免除では以下のようになっています。
- 10年または15年以上税務署に勤務した国税従事者は、税法系科目が免除されます。
- 23年または28年以上税務署に勤務し、指定研修を修了した国税従事者は、会計系科目が免除されます。
これらの要因の結果、ベテラン受験者が多くなり、知識のある受験者が多くなる結果として、相対的に税理士試験の合格が難しくなっています。
科目合格制を採用している
税理士試験は科目合格制を採用しているので、全科目合格するまでに長い時間がかかることも税理士試験突破を難しくしている要因です。
税理士試験では、全科目合格を得るまでに長い時間が必要です。
試験科目ごとに独立しており、全ての科目で合格ラインを超えることが求められます。
通常、科目合格制度を利用して、数年かけて資格取得を目指すルートが一般的です。
たとえ各科目で順調に合格しても、最低でも5年は必要であり、長期間にわたる継続的な学習が求められます。
これに加えて、税理士試験の難しさのもう一つの理由は、絶対評価ではなく相対評価が採用されていることです。
資格試験の合格基準には全ての基準を満たした者が合格できる絶対評価と、受験者の中で上位者だけが合格できる相対評価があります。
絶対評価の場合、合格点を取れば誰もが合格できます。
しかし、相対評価では受験者の順位に基づいて合格・不合格が決まります。
高得点を獲得しても、上位者にならないと不合格となります。
科目合格制が採用されていることで勉強を継続することが難しく、相対評価が採用されているため、時間をかけて勉強できるベテラン受験者が難易度を引き上げています。
試験科目の多さ
税理士試験は、5科目もの試験に合格しなければなりません。
必須科目・選択科目がありますが、ほとんどの科目が独立した科目であるため、科目ごとに合格することが可能です。
しかし、1科目に合格するのに数年かかることもあり、5科目をクリアするまでに長い時間が必要な場合があります。
試験形式が他の試験と異なる
試験はすべて記述形式で、多くの国家試験で見られるマークシート式や選択式とは異なります。
マークシート方式のように、分からない問題に適当に回答して正解するチャンスがなく、知識の習得に加えて、正確に表現する能力も要求されます。
この形式では曖昧な理解で得点することができないため、税理士試験の難易度が高い一因となっています。
税法の改正
税理士試験は毎年のように税法の改正があるため、その都度新しい論点ができることになります。
したがって、会計系の科目以外については、この改正をしっかりとフォローアップして試験に臨まなければなりません。
試験科目に合った学習方法の確立に時間がかかる
税理士試験では幅広い科目の勉強が必要になりますし、一つひとつの科目についてより深い知識が必要となります。
互いに関連している科目同士もありますが、関連性がない科目も少なくありません。
したがって、試験科目ごとに自分で学習方法を確立しなければならないのです。
教材を探すのが難しい
税理士試験向けの教材はいいものが少ないのが現状です。
少ない数の教材を揃えても、圧倒的に演習量が足りないことから、受験予備校の学生との競争に勝つことが難しくなります。
税理士試験において、独学の場合、成功へ導く指導者がいません。
競争相手に打ち勝つためには、少なくとも頼りになる教材や問題集があればと誰もが考えますが、税理士試験向けの市販テキストは非常に少ないです。
同じ会計系の科目である簿記検定2級・3級のような資格は、市販のテキストだけを使って独学で十分に合格を目指すことができます。
なぜなら、受験者が非常に多く、市販のテキストや問題集が豊富に揃っているからです。
しかし、税理士試験に独学で挑戦する人が少ないため、市販のテキストがあまりないのが現状です。
税理士試験合格を目指すポイント
税理士試験に短期間(3年)で合格を目指すのであれば、以下のポイントに注意してください。
勉強時間をどう捻出する?
税理士試験では、科目別に必要な勉強時間が異なります。
税理士試験の各科目に合格するために必要な時間の目安は以下の表の通りです。
| 科目 | 必要な勉強時間 |
| 簿記論 | 450時間 |
| 財務諸表論 | 450時間 |
| 所得税法 | 600時間 |
| 法人税法 | 600時間 |
| 相続税法 | 450時間 |
| 消費税法 | 300時間 |
| 酒税法 | 150時間 |
| 国税徴収法 | 150時間 |
| 住民税 | 200時間 |
| 事業税 | 200時間 |
| 固定資産税 | 200時間 |
1科目の合格を目指すだけでも、膨大な勉強時間が必要であることがわかります。
資格試験に向けて効果的に勉強時間を捻出する方法には以下のようなものがあります。
- 時間管理の改善
まず、自分の1日のスケジュールを見直し、時間を無駄にしている部分を特定します。
例えば、SNSやテレビなどの娯楽時間を削減し、勉強に充てる時間を増やすことができます。
- 朝型ライフスタイル
朝早く起きて、1日の始めに勉強をすることで、集中力が高い時間帯を活用できます。
夜型の人も、徐々に朝型にシフトしていくことが効果的です。
- 通勤・移動時間の活用
通勤や移動時間を利用して、教材や問題集を読む、音声教材を聞く、アプリを使って勉強するなど、空き時間を有効に使いましょう。
- 勉強時間を固定化
毎日同じ時間帯に勉強する習慣を作ることで、自然と勉強時間が確保されるようになります。
例えば、夕食後の1時間や、寝る前の30分など、継続しやすい時間帯を設定しましょう。
- 休日・休暇の活用
休日や休暇を利用して、集中的に勉強する時間を作りましょう。
特に長期休暇は、短期間で大量の学習を行う絶好のチャンスです。
- 目標設定と計画
具体的な目標を設定し、それに向けて計画を立てることで、時間を効率的に使うことができます。
また、達成感を感じることで、モチベーションも維持できます。
- タイムボックス法
一定時間(例えば25分)集中して勉強し、短い休憩(例えば5分)を取ることを繰り返す方法です。
この方法で集中力を維持しながら、効果的な学習時間を確保できます。
- 勉強仲間との協力
友人や同僚と一緒に勉強することで、互いに刺激を与え合い、学習時間を捻出しやすくなります。
これらの方法を組み合わせることで、効果的に勉強時間を捻出し、資格試験に向けて準備を進めることができます。
重要なのは、自分のライフスタイルや習慣に合った方法を選び、継続的に取り組むことです。
勉強する環境をどう整える?
税理士試験は長期間におよぶ勉強時間が必要ですから、勉強環境を整えることは非常に重要です。
勉強する環境を整えるために、以下の方法を試してみてください。
- 勉強の優先順位を決める
勉強すべき内容をリストアップし、優先順位を決めましょう。
重要で難しいトピックを最初に学習することで、効率的な学習が可能になります。
- 環境を整える
静かで快適な勉強環境を整えることで、集中力を高め、無駄な時間を減らすことができます。
また、勉強専用の場所を設定することで、勉強モードに切り替えやすくなります。
- 自分に合った学習方法を見つける
効果的な勉強法は人それぞれ異なります。
自分にとって最適な学習方法(例:まとめノートを作る、フラッシュカードを使う、教えることで理解を深めるなど)を見つけて活用しましょう。
- 睡眠・休息を大切にする
十分な睡眠や休息を取ることで、集中力が向上し、学習効果が上がります。
質の高い睡眠を確保し、ストレスを解消する方法(例:運動、瞑想、リラクゼーションなど)を取り入れましょう。
これらの方法を試行錯誤しながら、自分に最適な勉強時間の捻出方法を見つけ、資格試験に臨む準備を進めてください。
税理士試験を突破している人の多くが、大原・TAC・LEC・クレアールなどの資格受験予備校で学習しています。
資格受験予備校に通えば、上記の勉強のポイントをすべておさえたうえで勉強ができるので税理士試験でも有利です。
社会人で税理士試験を受験する方については一定の条件を満たせば給付金を受けられますので積極的に活用してください。
最終的には、継続と努力が成功への鍵となります。
まとめ
税理士試験の合格率は、例年大幅に変わることはありません。
税理士試験は相対試験なので、自分の実力をあげていかない限り、合格することは難しい試験となっています。
長期間の勉強が必要となるので、小手先の勉強のテクニックよりも、しっかりと計画を立て、勉強の環境を整えて勉強を始めることが大切です。
税理士試験に効率的に合格するためには、独学ではほとんど無理であることを自覚して、積極的に受験予備校を活用しましょう。
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