特に富裕層を中心に広がる「マンション節税」に対し、国税庁が2024年から新ルールを導入すると発表。新ルールでは、まず国税庁が築年数や階数などを考慮して評価額を算出し、実勢価格との乖離(かいり)を是正し、公平な課税の実現を目指します。

たとえば親からマンションを相続する場合に、相続税の課税額を左右するマンションの評価額を実売買価格(実勢価格)の6割以上に引き上げるという新ルールを、国税庁が発表しました。

これは、たとえばタワーマンションの高層階の物件でも、評価額が実勢価格の4割程度にとどまることで、結果的に大幅な節税につながっている現状を改めるためのルールです。

ちょっと専門的な話にはなりますが、現行のマンション評価額は、路線価や建物面積などをもとに算定されています。

この「建物面積」がポイントで、戸数の多いマンションは自然と1戸ごとの土地の持ち分の割合が小さくなるので、結果的に評価額が実勢価格を大きく下回る可能性があります。

これにより、相続税や贈与税の算定額も低くなるので、特に富裕層を中心にいわゆる「マンション節税」が広がっていました。

新ルールはどうなる?

新ルールでは、まず国税庁が築年数や階数などをもとに「市場価格」を算出、評価額がこれを下回った場合は、一律で市場価格の6割となります。

(6割を超えている場合は、これまで通り評価額にもとづいて税額を算定)

これにより、マンションの評価額と実勢価格との乖離(かいり)を是正し、公平な課税の実現を目指そうというものです。

まとめ

今回のルール改正は、近く開かれる有識者会議で示された上で、パブコメを経て最終決定される予定です。

マンションを所有している方や相続予定のある方は、今後の動向に注意しておきましょう。

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