年金受給者でもふるさと納税が使えるか知りたい方のために解説しています。結論から言えば収入が公的年金のみでも活用可能です。ふるさと納税の仕組みから制度を活用する上での注意点や活用方法について解説します。
この記事の目次
年金受給者でもできる!ふるさと納税
ふるさと納税は返礼品として美味しい食べ物がもらえるなど、年々人気が増す制度です。
大変お得なふるさと納税は、収入が公的年金のみの方も注意点をおさえておけば十分に活用できます。
ふるさと納税の仕組
ふるさと納税とは、日本各地の自治体(市区町村、都道府県)に寄付ができる制度です。
「ふるさと」とはいうものの、生まれ故郷である必要は無く、全国各地の好きな自治体に寄付することができます。
自分が興味のある自治体や応援したい自治体、ほしい返礼品がある自治体という基準で寄付する相手を選んでいいのです。
ふるさと納税は節税対策であると言われています。
これは自治体に寄付をした分、翌年の所得税と住民税が控除されるからです。
しかし寄付した額から2,000円を引いた金額が税金から控除される仕組みであり、ふるさと納税による寄付は翌年の税金の前払いと同じであるため、正確には節税とは言えません。
ふるさと納税のメリットは、納税額によって返礼品がもらえるところです。
例えば、ウニを寄付金10,000円で提供している自治体にふるさと納税をしたとします。10,000円から2,000円を引いた8,000円は税金の前払いをしたこととなるため、実質2,000円でウニが手に入ることになります。
返礼品には高級食材や生活雑貨など様々なものがあります。
年金受給者がふるさと納税で税金控除を受けられる条件
ふるさと納税で税金控除を受けるためには、所得税と住民税を支払っていることが条件です。
年金受給者が受け取る公的年金には所得税と住民税がかかります。
所得税と住民税は年金受給者の年齢やもらっている年金の額によって変わり、もらう年金額によっては所得税がかからないこともあります。
所得税がかからない年金の受取金額は下記になります。
年金を受け取る人の年齢 | 所得税がかからなくなる受け取り金額 |
65歳未満 | 年108万円以下 |
65歳以上 | 年158万円以下 |
ふるさと納税をして受けられる寄付金控除は所得税と住民税から控除されるため、納めた税金以上には控除を受けられないことに注意してください。
一方で、住民税は税率が市区町村によって異なるため、役所の税務課等に確認が必要です。
ご参考に、公的年金収入別にふるさと納税の上限額の目安を下記にまとめました。
公的年金収入 | 65歳未満 独身 |
65歳未満 夫婦 (配偶者控除あり) |
65歳未満 寡婦 |
65歳以上70歳未満 独身 |
65歳以上70歳未満 夫婦 (配偶者控除)あり |
65歳以上70歳未満 寡婦 |
100万円 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
150万円 | 11,000 | 3,000 | 5,000 | 0 | 0 | 0 |
200万円 | 20,000 | 11,000 | 14,000 | 12,000 | 4,000 | 6,000 |
250万円 | 28,000 | 20,000 | 22,000 | 24,000 | 15,000 | 18,000 |
300万円 | 37,000 | 29,000 | 31,000 | 36,000 | 27,000 | 29,000 |
350万円 | 46,000 | 38,000 | 40,000 | 46,000 | 38,000 | 40,000 |
400万円 | 58,000 | 49,000 | 52,000 | 58,000 | 49,000 | 52,000 |
450万円 | 69,000 | 60,000 | 62,000 | 69,000 | 50,000 | 62,000 |
500万円 | 79,000 | 71,000 | 73,000 | 79,000 | 71,000 | 73,000 |
所得税と住民税の控除上限以上にふるさと納税を行ってしまうと、上限を超えた分は払い損になってしまうのでお気をつけください。
ふるさと納税の方法
ふるさと納税を始める場合、まず税金の控除上限額を確認しましょう。
次に寄付したい自治体を選びます。
自治体へ直接申し込むことも可能ですが、便利なふるさと納税サイトを使う方が多いです。
ふるさと納税サイトでは自治体ごとの返礼品が掲載されており、そちらを参考に自治体を選ぶのが効率的です。
寄付したい自治体が決まったら、ふるさと納税の申し込みをします。
申し込みは各自治体のホームページやふるさと納税サイトで行うことができます。
一般的にはWEBから申し込みを行いますが、電話や郵送で手続きできる自治体もあるため確認するといいでしょう。
いくら寄付するか、返礼品は何をもらいたいかも、この段階で決めます。
所得税や住民税の寄付金控除を受ける場合は、ワンストップ特例制度を使うか確定申告をする必要があります。
ワンストップ特例制度はふるさと納税サイトに案内がありますので、ふるさと納税サイトから一連の申し込みをするのがやりやすいです。
ふるさと納税の期限
ふるさと納税で控除される税金は、所得税であれば寄付した年、住民税であれば寄付した翌年度に控除されます。
なお、ワンストップ特例制度を利用した場合、全額住民税から控除されます。
ふるさと納税自体は1年のうちいつ行ってもいいものですが、税金控除の効果は寄付した次の年に現れますのでご注意ください。
ワンストップ特例制度の申請期限は寄付した翌年の1月10日まで(必着)。
確定申告する場合は寄付した翌年の3月15日までが期限です。
年金受給者がふるさと納税で得られるメリット
ふるさと納税をすると寄付した自治体から返礼品がもらえます。
返礼品の金額は、寄付額の3割以内に相当するものという決まりがあるので、どの返礼品を受け取るか考えた上での目安にしてください。
例えば3万円の寄付をした場合に、3割の9,000円相当の返礼品が受け取れます。
近年はふるさと納税の人気に伴い、様々な返礼品が用意されています。
ブランド米や肉、魚介類、酒、野菜、果物、電化製品やティッシュ等の日用雑貨、ホテル宿泊券といったものもあります。
他のメリットとしては、寄付金で気になる自治体を応援できることです。
ふるさと納税で寄付されたお金は各自治体の問題解決や地域活性化に使われます。
子育て支援や福祉支援といった応援したい分野の指定ができるため、自分が応援したい自治体活動に直接お金を届けることができます。