2023年度の国民負担率が46.8%に高止まりすると言われる日本は、OECDの36カ国中で22番目に税負担が重い国となっている。その主な原因と、国民負担率が高いことが及ぼす影響について解説する。
この記事の目次
2023度の国民負担率が46.8%に高止まりする見通しであることが、財務省から発表された。
国民負担率とは、国民全体の所得に占める税金と社会保険料の負担の割合で、これが高いほど国民の経済的な余裕が少なくなる。
日本の国民負担率は、2010年代までは30%台で推移していたが、2011年以降は40%台に跳ね上がり、OECD(経済協力開発機構)に加盟する36カ国の中で22番目に負担が重い国となっている。
では、日本の国民負担率が高くなった原因とは何で、その影響はどんなところに現れるのだろうか?
日本の国民負担率が高くなった原因とは?
国民負担率が高くなった原因としては、主に以下の3つが挙げられる。
- 高齢化による社会保障費の増加
- 消費税率の引き上げ
- コロナ禍による減収対策
高齢化による社会保障費の増加
まず、高齢化による社会保障費の増加が、国民負担率のうち「社会保険料」の部分を押し上げる要因となっている。
日本は世界でも有数の高齢化社会であり、老年人口比率(65歳以上人口の割合)は2020年時点で28.7%に達している。
高齢者は医療や介護などのサービスを多く利用するため、社会保障制度を維持するためには多額の財源が必要となる。
そのため、厚生年金や健康保険などの社会保険料を徴収する必要があり、これが国民負担率を上昇させている。
消費税率の引き上げ
次に、消費税率の引き上げは、国民負担率のうち税金の部分を押し上げる要因となっている。
消費税は、日本政府が主要な歳入源として位置付けている間接税であり、消費者が商品やサービスを購入する際に課される。
消費税率は、1989年に3%から導入されて以来、1997年に5%、2014年に8%、2019年に10%と段階的に引き上げられてきた。
消費税率の引き上げは、政府の財政再建や社会保障制度の安定化を目的として行われているが、一方で消費者の支出を圧迫し、国民負担率を上昇させている。
コロナ禍による減収対策
最後に、コロナ禍による減収対策は、国民負担率を一時的に高める要因となっている。
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行は、世界的な経済危機を引き起こし、それは日本も例外ではありませんでした。
政府は感染拡大の防止や経済活動の支援のために、これまでに緊急事態宣言や経済対策などを実施してきたが、これには莫大な費用がかかる。
そのため政府は、国債の発行や税収の減少などにより財政赤字を拡大させている。
その財政赤字は、将来世代の潜在的な負担として国民負担率に加算される。
そのため、コロナ禍による減収対策は、国民負担率を一時的に高める要因となっている。
国民負担率が高いとどんな影響が出てくる?
国民負担率が高くなることの影響としては、主に以下の2つが挙げられる。
- 国民の経済活動や消費意欲の低下
- 経済成長の鈍化
国民の経済活動や消費意欲の低下
まず、国民負担率が高くなると、国民の経済活動や消費意欲が低下する可能性がある。
税金や社会保険料が多く徴収されると、国民の手取り所得が減少し、生活費や貯蓄などに回せる余裕が少なくなる。
そのため、国民は不必要な支出を控えたり、将来に対する不安から消費を抑えたりする傾向が強まる。
これは、日本経済にとってマイナスの影響となる。
経済成長の鈍化
次に、国民負担率が高くなると経済成長が鈍化する可能性がある。
経済成長には、消費や投資などの需要と、生産や技術などの供給の両方が必要である。
しかし、国民負担率が高くなると、需要も供給も低下する恐れがある。
需要面では、前述したように国民の消費意欲が低下することで内需が落ち込む。
供給面では、税金や社会保険料の負担が重くなることで企業の利益や投資意欲が低下し、生産性やイノベーションが阻害される。
これらの要因は、日本経済の成長を妨げる可能性がある。
まとめ
以上により、2010年代まで30%台だった国民負担率は、2023年度で46.8%に高止まりし、OECD加盟36カ国の中で22番目に負担が重い国となっている。
この状況は、高齢化や消費税率の引き上げ、コロナ禍などによって引き起こされており、国民の経済活動や消費意欲の低下や経済成長の鈍化などの影響を及ぼす可能性がある。
そのため、政府は国民負担率を抑制するためにも、社会保障制度の改革や財政再建などの取り組みを進める必要があると言えるだろう。
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