還付金等を、他に納付しなければならない税金に充てることができる「充当の申出」と「還付金債権譲渡」について、元国税徴収官が分かり易く説明します。

この記事の目次

はじめに

国税の還付金等※は、その納税者に発生した国に対して有する債権です(国税通則法第56条)。

一方、その還付金等の債権者に納付すべき確定した国税があるときは、納税者の意思にかかわらず、その未納の国税に充当しなければならないと規定されています(国税通則法第57条)。

なお、還付金等に係る還付請求権は、金銭給付を目的とする債権であり、一身専属性を有していませんので、私法上の債権と同様に譲渡、相続、差押え、質入れ等の目的となります。

※還付金等には還付金及び過誤納金を含みます。

【充当関連の過去記事】

-還付金には利息が付く-「還付金及び還付加算金」 | KaikeiZine

充当の申出とは

国税通則法基本通達57-6(充当適状前の充当)

還付を受けるべき者から還付金等につき充当適状前の国税(納付すべき額が確定しているものに限る。)に充当の申出があったときは、その申出の日を充当適状日として充当するものとする。この場合における充当の申出は、書面により行わせるものとする。

≪参考≫第57条関係 充当(国税庁HP)

個人事業主の確定申告で、所得税は還付金が発生し、消費税は納税といったような場合、還付金は振り込まれるのを待ち、納税は期限までに納付するというのが通常です。

例えば、3月1日に30万円の所得税還付申告書を提出し、3月25日に納付税額20万円の消費税確定申告書を提出したとします。

この場合、所得税の還付金については、e-Tax申告だと約3週間後の概ね3月下旬には還付されるでしょう。

一方、消費税については3月31日が法定納期限ですので、申告で20万円の納付税額が確定していても未納とはなっていません。

つまり、充当適状日前ですので充当は行われず、納期限までに20万円を自分で納付する必要があります。

充当の申出とは、税務署長へ書面を提出することで、この還付金額30万円のうち、20万円を納付税額に充当してもらい、残額の10万円を還付してもらうことができるのです。

書面による提出

この充当の申出は書面によると規定されていますが、特に規定された書式はありません。

ですが、ひな形を作成している税務署もあるかと思いますので、一度電話で問い合わせてみるのも良いでしょう。