帰りがけに「たまにはクラブに顔を見せて下さいネ」なんて言おうものなら、
周囲は「どこのクラブ…?」と思ったことだろう。

「国税記者」になってかれこれ20年になる。
毎年の税制改正や税務調査、脱税事件、節税対策などについて
関係省庁や専門家に取材して、記事を書く。
法学部出身でもないのに、よくもまあこれだけ長く続けられたと思う。
入社当時、女性記者はまだ数少なく、
また若かったこともあり、取材先ではチヤホヤしてもらった。
不勉強で生意気な駆け出しの女性記者を、
役人たちはよく相手にしてくれたと思う。
しかも新人時代の私は、少々「派手」だった。
お堅い取材先に合わせて、男性記者たちは皆落ち着いた色調のスーツ姿。
そんな中で、膝上20センチのミニスカートはかなり浮いていたようだ。
調査部や査察部に取材に行って脚を組んで取材。
帰りがけに「たまにはクラブに顔を見せて下さいネ」なんて言おうものなら、
周囲は「どこのクラブ…?」と思ったことだろう。
当時、日参していた幹部クラスの方々には本当にご迷惑をおかけした。
ちなみに「クラブ」とは、財務省や国税庁にある記者クラブのことだ。
現在も週に1〜2日は立ち寄って情報収集している。
来週は、幹部たちとの懇親会。これも重要な仕事のひとつだ。