長期のブランクがあっても会計士資格は大きな助けになる!

これまで「ファーム系だとそれほど職探しに困難はなく、また大会社でも旅の経験を評価してくれるところもある」と書いてきました。しかしながらこれはあくまで会計士資格を保有していることが前提です。旅で知り合った人の中には職探しに苦労している方や、大きく給料が下がったという方もいます。年齢的なことを考えても、やはり資格を持っていることは大きなメリットになります。
自分の経験からは、日本もしくは海外ファーム(日系含む)への就職も視野に入れる会計士(試験合格者含む)の方であれば、2年程度旅をしても大きなマイナスにはならないと考えます。またファームでは前職における職位や年収が考慮されるようですので、特段の資格を持たない方と比べると給与水準等に関してもかなり有利でしょう。
そうであれば、現在忙しく働いている会計士の方でも、一旦キャリアをストップして旅に出るという選択肢は十分にあり得ると言えるでしょう。また将来的に旅に出たいと考えているような人にとって、会計士等の資格取得は将来への備えにもなるのではないでしょうか。
一方、事業会社への就職を希望する場合、やはりブランクや年齢が重視されるため、かなりのマイナスです。20代であれば限定的でしょうが、30代半ばになると多くの会社で敬遠される要素になるでしょう。
そうは言っても実際に旅に出たことを評価してくれる事業会社もないわけではありません。僕が入社を決めた会社もポジティブな評価をしてくれたことが決め手の一つでした。少ないとはいえ、そういった上場企業もある以上、あとはそういった会社に出会えるのか、出会えるまで探し続けられるのかがポイントです。
最後に

以上、自分の経験をもとに、世界一周を終えてからの就職活動と、旅の経験がどのように評価されるのかをまとめてみました。意外とプラスに評価してくれる会社もあることを知り、今では監査法人を辞めて旅に出るという決断は、非常に魅力的かつ現実的な選択だったと考えています。
仕事を辞めて旅に出るかどうか悩んでいる会計士の方に言えることは、「思い切って辞めてしまってもなんとかなるのでは?」ということ。特に帰ってきてもまだ20代という方であれば、後のことはそれほど心配する必要はないように思います。
なお、ここで書いたものはあくまで僕のケースです。中小企業やスタートアップの会社では状況は大きく変わりますし、また年齢やそれまでのキャリアも重要な要素でしょう。さらに言うと、景気の影響を受けやすい会計士業界では、外的環境も重要な要素になってくると思います。あくまで一つの例として、参考程度に理解していただければ幸いです。