マネーフォワード クラウド専門を武器に ── 選択と集中の顧客戦略

■「雇用しない」ということは、ご自身の業務効率を極限まで高める必要がありますよね。そこで選ばれたのが「マネーフォワード クラウド」だったわけですが、あえて「専門」と掲げることに怖さはなかったのでしょうか?

水島:「マネーフォワード クラウド専門」と謳うことは、他の会計ソフトを使っている方々との接触の機会を失ってしまうことでもあるので、最初は怖いと感じていました。開業当初の喉から手が出るほど案件が欲しい時期に、間口を狭めることは勇気がいりました。しかし、「何でもできます」という表現では、結局何ができるのか伝わりません。逆に、「マネーフォワード クラウドのことなら誰よりも詳しい」ととがらせることで、数ある事務所の中から選んでもらえる強力な「武器」になると考えました。

■数ある会計ソフトのなかで、なぜマネーフォワード クラウドを選ばれたのでしょうか?

水島:私の理念である「場所にとらわれない働き方」を実現するには、クラウド完結型であることは必須条件でした。

その上で、マネーフォワード クラウドは会計だけでなく、請求書、経費精算、さらには人事労務のソフトも含めてパッケージでプラン化されています。バックオフィス全体を一気通貫で効率化できる点が決め手でした。お客様に「マネーフォワード クラウドを導入すればバックオフィスが丸ごと改善しますよ」と提案しやすいんです。会計ソフト単体ではなく、業務フロー全体を改善するパッケージとして提案できるので、お客様にとってもバラバラのソフトを使うよりコストメリットがありますし、何より私自身の業務効率化にも直結します。

■クライアントにとってもメリットが大きいということですね。

水島:その通りです。お客様は多くの場合、「会計ソフト」しかご存知ありません。なので、「マネーフォワード クラウドなら請求書発行も給与計算も電子契約も、全部この料金内でできますよ。しかもデータが連携するから入力の手間も減ります」とお伝えすると、「知らなかった」「そんなに便利なら使いたい」と驚かれることが多いんです。そうやって、お客様の業務を楽にして差し上げること自体が、私の価値にもなります。私自身、マネーフォワード クラウドを単なる会計ソフトとしては見ていません。バックオフィス全体を一気通貫で管理できるソフトとして考えています。

開業1年目で顧問先100件を獲得 ── 緻密な3年計画と泥臭い実行力

■その戦略の結果、開業1年目で100件もの顧問先を獲得されました。理念を掲げつつも、実際の集客活動は泥臭い部分もあったのではないでしょうか?

水島:おっしゃる通りです。最初はSNSやクラウドソーシングサイトを使って集客しました。「1年で200件いくぞ」と意気込んでいたので、多少無理をしてでも案件を取りに行きましたね。「自由」と言いつつ、最初は時間的には全く自由ではなかったかもしれません(笑)。

■そこでパンクせずに回せた秘訣は何だったのでしょうか?

水島:最初から業務フローを作り込んでいたことです。フリーランスの期間に、いろいろな事務所の下請けの役割もしていたので、それぞれの事務所のやり方なども学びながら、「もし100件依頼が来ても回せる仕組み」を徹底的に考えました。また「マネーフォワード クラウド専門」に絞ったことで、自動仕訳のルール作りや業務手順を標準化できました。お客様にも「マネーフォワード クラウドを使っていただくこと」を条件に契約することで、自分の時間は確保しつつ、高回転で業務を回す体制を構築しました。泥臭く進めていましたが、確実に回せるイメージを持てていたため、最初は時間的な自由がなかったとしても進められていたんだと思います。

また、サービスの価値も「記帳代行」から「活用支援」まで幅広く行っていました。お客様のお困りごとを初回面談で徹底的にお伺いしながら、必要であればバックオフィスを楽にするために、マネーフォワード クラウドの使い方を教え、業務フロー改善も行いました。このような支援をすること自体が私自身の価値にもなっています。

■1年目を終えて、想定外だったことはありますか?

水島:唯一、想定外で悔しかったのは、マネーフォワードが主催する「士業サミット2023」の表彰で「ルーキーCHALLENGE賞」を逃したことですね(笑)。それ以外は、おおむね計画通りでした。

実は私は、計画は「3年」までしか立てないようにしています。5年先、10年先は世の中が変わりすぎていて予測できないからです。

■その「3年計画」とはどのようなものだったのですか?

水島:1年目はとにかく「数」にこだわり、実績を作る「種まき」の時期だと割り切っていました。だから多少の無理も想定内です。2年目からは「質」への転換を図り、自分と合うお客様、本当に支援したいお客様に集中して、体制を整える時期です。そして3年目には、集まった素晴らしいお客様に対して、より高度な経営支援を行っていく時期と考えていました。

最初からこのロードマップを描いていたので、1年目の忙しさも「これは計画の一部だ」と捉えることができました。闇雲に走るのではなく、ゴールを見据え、考えながら工夫して進められたからこそ走り抜けることができたのだと思います。

小さな行動の積み重ねが「独立のカタチ」を作る

■開業から約2年半がたちましたが、「時間・場所・人に縛られない」という理想は、いまどこまで実現できていますか?

水島:当時、3年計画を立てた際に思い描いていた理想の実現度は、ほぼ100%に近いですね。組織にいた頃に憧れていた「上場企業の高度な税務」や「相続」といった仕事は手放しましたが、後悔はありません。それ以上に、自分が会いたいお客様と付き合い、好きな場所で働き、家族との時間を大切にする。そんな「納得感のある人生」を手に入れられました。組織にいた頃のストレスや違和感は、いまはありません。すべて自分の責任で決められるということに、とても心地よさを感じています。

■3年目以降の展望を教えてください。

水島:いまは、集まってくださったお客様に対し、より付加価値の高い経営支援・財務支援を行うフェーズに入っています。1年目で数を集め、2年目で関係性を深め、3年目でより深い価値を提供する。そしてまた次の3年で、新しいことに挑戦していく。その繰り返しだと思っています。

これからは、私のように「自由に働きたい」と願う同業の仲間を増やしたり、互いに支援したりできるような活動もしていきたいですね。

■最後に、かつての水島さんのように組織のなかでモヤモヤしながらも独立に踏み出せずにいる読者へ、メッセージをお願いします。

水島:「お金がないから」「自信がないから」「まだ早いから」と、できない理由を並べるのは簡単です。しかし、お金がないなら時間を使えばいい。自信がないなら、副業で小さく始めて実績を作ればいいんです。繰り返しになりますが、私も最初は50万円からのスタートでした。

まずはミニマムでもいいから、自分の理想に向けて一歩を踏み出してみることが大切です。「自分はどう生きたいのか」という問いから逃げずに、そのための手段を選び取ってください。その小さな行動の積み重ねが、やがて自分だけの「独立のカタチ」を作っていくのだと思います。

 

PYXIS会計事務所の成功は、単に「マネーフォワード クラウドを使っていたから」ではありません。
水島氏が、「自分はどう生きたいか」を徹底的に突き詰め、そこから逆算して「何を捨て、何を選ぶか」を戦略的に決定し、実行した結果です。

ツールはあくまで手段です。しかし、明確な意思を持って選ばれたツールは、個人のキャリアを切り開く強力な武器になります。
水島氏の事例は、自分の「理想の生き方」「理想の働き方」から逆算し、開業戦略を立てることの重要性を私たちに教えてくれました。

PYXIS会計事務所

●会社HP
https://pyxis-cpta.jp/

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