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勝手に分析!会計士をタイプ別に大解剖〜会計士ライフプランナーのコラム Part.3

みなさんは「公認会計士」ってどんな人たちだと思いますか?業界内や世間一般のイメージなど、いろいろあると思いますが、今回はこれまでの経験から僕なりに会計士の特徴について書いてみたいと思います。完全に僕の主観ですので異論は認めますが、「例外もあるだろ!」というツッコミはご容赦願います(笑)。

会計士には2つの側面がある!?

ありがたいことに、若手から大先輩までこれまでにたくさんの会計士とご縁がありました。同じ試験を経て会計士になっているだけあって、数字に強いことはもちろん、「目標に向かって地道に頑張れる」「ロジカルに考える力がある」など、共通点も多いように感じます。そして何よりどの人も根が真面目です。

ただ、全員が同じタイプ、というわけではなく、個人的には大別すると「事業家タイプ」と「職人タイプ」の2つに分かれるように思います。2つのタイプというよりは2つの側面があって人によってその割合が異なる、という表現が正しいかもしれません。

会計知識を活かしてわが道を行く「事業家タイプ」

会計士を目指したきっかけは人それぞれですが、「お金を稼ぎたい」「自由なキャリア設計をしたい」「ビジネスの世界で成功したい」といった動機付けが強いのが事業家タイプの特徴です。このタイプは、どちらかというと会計や税務そのものよりビジネスの現場に興味があり、独立開業、事業会社の経営企画やベンチャー企業のCFO、コンサルティング業界などを仕事のフィールドに選ぶ傾向があります。会計とは別の分野で起業される方も多く、監査法人や会計事務所で得た知識や経験を活かしてビジネスの最前線で活躍しています。

キャラクターとしては外向的で飲み会やイベントにも積極的に参加し、繋がりを増やしていくタイプです。会計士資格の魅力の1つに、「自ら望めば業界内の繋がりをどんどん広げられること」が挙げられます。僕も会計事務所で働いていたころは、新人時代から先輩方の飲み会によく交ぜてもらい、たくさん学ばせていただきました。このような私的な飲み会だけではなく、公認会計士協会関係でも準会員会や青年部、組織内会計士ネットワークなど、広く参加者を募ったイベントが定期的に開催されています。興味があれば知り合いがいなくても、勇気を出して飛び込んでみてください。先輩方は世話好きなので、きっとあたたかく迎えてくれますよ。

余談ですが、このタイプ、スーツや時計、靴などにこだわりを持っている方が多い傾向が(笑)。僕がライフプランニングをさせていただく際に、収支のバランス改善を進言することもあります(笑)。

難解で高度な専門的判断もおまかせあれ「職人タイプ」

事業家タイプとは対照的な職人タイプには、「大学の簿記の授業から興味を持って勉強を始めた」「専門性を磨きたい」といった動機で会計士を目指した人が多い気がします。変化の激しい経済情勢に対応すべく、会計基準や税制もどんどん複雑化しており、会計士には当然、こうした高度な専門知識が要求されます。

このような会計・税務知識のアップデートや情報収集、スキーム構築などに強みを発揮するのが職人タイプです。監査法人で監査を極めていく人や、Big4系列の税理士法人やFAS、大企業の経理部門や金融機関などで活躍していることが多いです。中には、大学院などでさらに学びを深める人や、会計基準の策定に携わる人などもいます。

会計士の仕事ではエクセルをはじめ、さまざまなITスキルが求められることもしばしば。そこでも職人タイプは抜群の情報処理能力を発揮します。特に決算期などの繁忙期は、膨大な情報を早く、正確に処理することが求められます。残念ながら僕は苦手な分野でしたが、こうした状況でスピードとクオリティを両立できる人は重宝されるでしょう。

このタイプは堅実な人生設計をする人が多く、財形などで毎月一定額を計画的に貯蓄している人も少なくありません。何かを決める時も慎重に時間をかけて検討することが多いのも特徴です。

自分の「キャラ」を把握することも大事

多くの会計士が転職を経験しますが、キャリアを考えるうえで、習得したスキルや経歴だけでなく、自身のキャラクターを見つめ直すことも非常に大切なことです。たとえば履歴書に書くと同じ「監査業務経験3年」でも、その人の持っている個性や価値観によって、マッチする会社や働き方は大きく異なってきます。

社会人になりたてのころ、会計士の転職市場に詳しい方とお話する機会がありました。当時の僕が「キャリアの選択肢を増やすためには今からどんなことを頑張れば良いでしょうか?」と尋ねると「一番大事なのは人間性かな」という回答をいただきました。エクセルスキルや英語力を磨くといった答えを想定していた僕は「もうちょっと具体的なアドバイスが欲しかったのに」と思ったものですが、今は本当にその通りだなと思います(もちろんエクセルスキルやTOEICスコアが必要になることも多々あります)。

僕もそうでしたが、一般的な就職活動をせずに監査法人や会計事務所に就職すると、真剣に「自己分析」をする機会って意外とないものです。しかし、会計士として働き始めるとキャリア設計の自由度が高い分、むしろ他の業界よりも自己を見つめ続ける必要があると思います。

今回例に挙げた事業家タイプと職人タイプ、当たり前ですがどちらが優れているとか劣っているとかの話ではありません。ピンとこなかった人は無理に当てはめる必要もありません。

 

「何を求めて会計士になったのか」

「何を追求していきたいのか」

「何に喜びややりがいを感じるのか」

 

これらを突き詰めた先に、理想のキャリアがあるのではないでしょうか。その結果、辿り着いた世界が会計とかけ離れた分野だったとしてもそれはそれで良いと思います。ビジネスの世界には、会計士の知識や経験を活かせる場は無限にあります。僕のように会計士からライフプランナーになった人もいれば、会計士から寿司職人になった人、日本文化を発信するNPOを立ち上げた人、英会話スクールを立ち上げた人など、自由にキャリアを選択している会計士はたくさんいます。

王道でも、異端でもいい。

自分らしく働く会計士が増えることを願っています。

著者: 菊池諒介

プルデンシャル生命保険株式会社 港第三支社 ライフプランナー/公認会計士

埼玉大学在学中の2010年に公認会計士試験に合格し新卒から3年間、会計事務所で税務を中心に申告業務、コンサルティング業務等に従事。キャリアを模索するなかで、ライフプランナーという仕事に出会う。個人法人問わず会計士の目線を活かしたオーダーメイドの問題解決を得意とし、2014年、2016年と社長杯(全社コンテスト)入賞を果たす。その過程で多くの若手会計士と接点を持つも、将来を不安視する声の多さに触れ、本業の傍ら会計士のプロボノ(専門性を活かした社会貢献活動)を推進するNPO団体Accountability for Changeの理事を務める。会計士のキャリア支援にも取り組んでいる。

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