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トランプ政権、仮想通貨とともに2017年を振り返る 〜会計士ライフプランナーのコラム Part.7

早いもので2017年も残り僅かとなりました。ありがたいことに今年から連載させていただいているこちらのコラムも7回目となります。いつもお読みいただいている皆さん本当にありがとうございます。今回は年内ラストということで、主要なニュースとともに2017年を振り返りたいと思います。

トランプ政権発足と世界経済の変化

17年1月に発足したアメリカのトランプ政権。就任が決まってからも大きな波紋を呼び、年間を通して紙面に名前を見ない日はなかったのではと思うほどです。グローバル化によって拡大を続けてきた世界経済ですが、「アメリカ・ファースト」を掲げるドナルド・トランプ氏の台頭により、グローバリズムからポピュリズムへと、大きな変化を迎えつつあるように感じます。同氏は移民に仕事を奪われたと思っている白人の労働者階級の支持を集め、選挙を勝ち抜きました。就任演説での「アメリカを再び偉大に」の宣言通り、それまでの世界経済のリーダーとしての役割よりも、自国の利益を守ろうという姿勢が目立ちます。就任早々のTPP(環太平洋経済連携協定)離脱や、パリ気候変動協定からの離脱などが最たる例でしょう。

経済成長のための政策も活発です。大型の公共事業などの景気刺激策に加え、12月には大幅な減税法案も決定されました。今年は米連邦準備制度理事会(FRB)による政策金利の引き上げが2回にわたり実施されており、米国経済の強さを物語っています。

18年も米国経済は堅調に推移するとの意見が多数派ではありますが、一部では「任期を全うできないのではないか」と囁かれているトランプ政権の支持率は過去70年で最低水準(ワシントンポスト紙によると11月時点で支持率37%、不支持率59%)です。政局混乱によるリスクにも注意が必要です。

また清水寺で例年発表される今年の漢字が「北」であったように、北朝鮮による脅威も2017年の大きなニュースでした。早朝のスマートフォンの通知に驚いた方々も多いのではないでしょうか。北朝鮮の例は極端かもしれませんが、自国の利益を主張するポピュリズムが世界に蔓延すると、一部の人々の不満が鬱積して突発的事象の発生も想定されます。こうした乱気流は世界経済の上昇気流を乱しかねません。

ますます複雑化する世界経済ですが、為替相場や株式市場の変化は企業業績や個人消費にも様々な形で影響を及ぼすので、今後も大きな動きにはアンテナを張っておくと良いでしょう。

仮想通貨市場の活況

「ビットコイン」という単語を全く聞いたことがない、という方も少数派になってきたのではないでしょうか。先日も都内を歩いていたら「ビットコインをはじめるなら・・・」なんて某取引所の広告を載せた大型トラックが目に付き、すごい時代になってきたなと感じました。ビットコインとはインターネット上で取引することができる仮想通貨の一種で、インターネットにさえ繋がっていれば遠隔地でも海外でも取引することが可能です。特定の国に属さず一元管理する中央銀行を持たないので、国際的な分散型通貨とも言われます。

また紙幣のように価値を証明する現物がないため、実態を伴わないデジタルな通貨です。コンビニや飲食店等でもSuicaやnanacoなどキャッシュレスで決済できる店舗が増えてきましたが、イメージとしては近いかもしれません。ただSuicaにチャージされるのはあくまで法定通貨たる「円」であり、国内でしか使えませんが、ビットコインは世界中どこでもビットコインとして使うことができます。

メリットも多くある仮想通貨ですが、円やドルなどの法定通貨と異なり国家が価値を保証しているわけではありません。では何がビットコインの価値を押し上げているかというと、それは利用者の「信用」です。「これはお金として価値があります」という人が増えれば増えるほど、その価値は上昇していくことになります。2017年は「仮想通貨元年」と呼ばれるほど、人々の信用により多くの仮想通貨の価値が押し上げられました。年初に1BTC(ビットコインの単位)は日本円で9〜12万円程度で推移していましたが、12月中旬には一時的に240万円ほどの最高値となり、本稿執筆時点では150〜200万円程度を推移しています。年初から約20倍超。アルトコインと呼ばれる他の仮想通貨ではそれ以上に暴騰したものもありました。

それだけ聞くと何だか夢のある話に思えますが、短期間でかなりの値動きがあるため、投機目的で購入する際には許容できるリスクを慎重に検討されることをおすすめします。「これからは仮想通貨の時代だ!」という声とともに膨れ上がっている仮想通貨市場ですが、「やっぱり使えなさそう」という見方が強まれば一気に暴落する可能性も充分考えられます。

仮想通貨が将来的に当たり前のものとして普及するのか、法定通貨に取って代わる日が来るのかは誰にも分かりませんが、技術の進歩や経済のグローバル化によって「お金のあり方」は時代とともに変わっていくのかもしれません。2018年もビットコインをはじめとした仮想通貨市場の動向に注目が集まります。

2017年は丁酉、2018年は戊戌

経済の話ばかりしてしまいましたが、最後に昔ながらの十干十二支のお話を。2017年の干支は丁酉(ひのととり)でした。「丁」は成長期の安定、「酉」は収穫期で利を得ることを意味し、すくすくと伸びる茎に例えられますが、皆様にとってはどんな1年だったでしょうか。僕個人としてはライフプランナー4期目を迎え、これまで継続して活動してきた動きに少しずつですが手応えを感じてきています。

2018年は戊戌(つちのえいぬ)です。「戊」は「茂」という字に通じ、植物が絶頂の状態にあるという意味を持ち、「滅」という字に由来する「戌」全てのものが土に還っていく状態を意味し、刃物で刈り取るイメージから締めくくりの意味があります。詳しい説明は割愛しますが、陰陽五行説では戊も戌も「土の陽」で比和(ひわ)という関係だそうです。同じ気が重なるため、良いことはより良く、悪いことはより悪くなるんだとか。

ちなみに同じ戊戌だった年は60年前の1958年。東京タワーや国立競技場が完成し、一万円札が初めて発行された年です。今までの取り組みの結果が明確になり、1つのサイクルが終焉を迎える、そんな年になりそうです。

僕もライフプランナーとして、会計士として、1人の人間として、今年以上に大きく成長する1年にしていきたいと思っています。それでは皆さま、良いお年を。来年もどうぞよろしくお願い致します。

著者: 菊池諒介

プルデンシャル生命保険株式会社 港第三支社 ライフプランナー/公認会計士

埼玉大学在学中の2010年に公認会計士試験に合格し新卒から3年間、会計事務所で税務を中心に申告業務、コンサルティング業務等に従事。キャリアを模索するなかで、ライフプランナーという仕事に出会う。個人法人問わず会計士の目線を活かしたオーダーメイドの問題解決を得意とし、2014年、2016年と社長杯(全社コンテスト)入賞を果たす。その過程で多くの若手会計士と接点を持つも、将来を不安視する声の多さに触れ、本業の傍ら会計士のプロボノ(専門性を活かした社会貢献活動)を推進するNPO団体Accountability for Changeの理事を務める。会計士のキャリア支援にも取り組んでいる。

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