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【「会計士×プロボノ」の秘める無限の可能性】会計士だからこそできる社会貢献 〜会計士ライフプランナーのコラム Part.4

皆さんは、NPOについてどのようなイメージをお持ちですか?偽善っぽい?怪しい?何をやってるかよく分からない?僕も以前はそんな印象を持っていましたが、実際にNPOをはじめとしたソーシャルセクターの方々と関わるようになってから、そのイメージは大きく変わりました。そしてありがたいことに僕は現在、ライフプランナー業務の傍ら、社外活動として会計士のプロボノ(専門性を活かした社会貢献活動)を推進するNPO法人Accountability for Change(以下AFC)の理事を任せてもらっています。今回はAFCの活動やソーシャルセクターについて書きたいと思います。

そもそもプロボノって?会計士ってどう役に立つの?

プロボノとはラテン語の「pro bono publico」(公共善のために)の略です。ビジネスマンが仕事を通じて培った知識やスキル、経験を活用して社会貢献するボランティア活動全般を指す言葉です。特に会計士の場合、「会計が分かる、お金に強い」という強みを持っているため、NPOなどに貢献できることはたくさんあるのです。NPOや社団法人などの非営利団体のほとんどは、監査法人の監査を受けるような大企業と違って会計士や税理士などの専門家に高額な報酬を支払う余裕はありません。しかし、収入の大部分を寄付金などに頼るNPOの場合、「寄付したお金が何に使われているのか?」「自分が寄付をするとどれだけの社会貢献に繋がるのだろう?」という疑問が解消されないと、なかなか寄付者は集まりません。そこで求められるのがAccountability(=説明責任)です。
僕らAFCは、そんなソーシャルセクターの健全な発展に寄与することを目的として設立された団体です。

NPOに関わるようになったきっかけ

AFC設立イベントの時の写真

AFCとの関わりは任意団体として活動が始まった14年夏頃まで遡ります。正直言って当時は、「NPOってそもそも何?」という状態で、ソーシャルセクターへの関心など全くありませんでした。きっかけは、知人の誘いで参加した若手会計士中心の交流会。そこでソーシャルセクターの可能性について熱くプレゼンをされていたのが、AFC創設理事の五十嵐さんです。当時監査法人からNPOに出向中だった五十嵐さん自身の体験や会計士が社会貢献活動をする意義などについてのお話がとても印象的でした。自分と近い世代の会計士が社会問題の解決に本気で取り組んでいる。しかも非営利で。そのことに大きな衝撃を受けました。その話の中で「これから会計士のプロボノ団体を立ち上げます」と聞き「よく分からないけど何となくおもしろそうだから顔出してみようかな」と思ったのが始まりです。あの頃はまさか自分が後々理事になるとは思ってもいませんでした(笑)。

プロボノは会計士にとっても良いこと尽くし!?

プロボノの話をすると「社会にとって良いことなのは分かるけど、基本的に無償で手伝う会計士側に何かメリットあるの?」とよく聞かれます。「ソーシャルセクターの健全な発展に寄与すること」とともにAFCがミッションとして掲げているのが「次世代の会計プロフェッショナルの育成」です。多くの若手会計士の従事する監査という仕事は基本的には既にできあがった過去の数字のチェックが中心なので決算書を作ったり、事業計画を立てたり、といった経験は転職しないとなかなかできないと思われがちです。これがプロボノでは現職を続けながら多様な経験を積むことができます。実際に監査法人にいながらクラウド会計ソフトを使いこなしてNPOの決算書を作っているメンバーもいます。自身のスキルを活かしながら多様な立場で実務の経験を積むことでグッと視野が広がりますし、各々の会計プロフェッショナルとしての成長に寄与するでしょう。

また監査業務は「市場の番人」と呼ばれるように本来的にはあくまで投資家保護のための仕事であり、厳格な監査をしようと思えば思うほどクライアントから疎まれる、という現場スタッフの声を聞くことも少なくありません。その点プロボノでは自らの知識や経験が目の前の人から直接感謝される、という側面があります。

僕も実際にAFCの他に、不定期ではありますが「病気になっても自分らしく生きられる社会をつくる」を理念に掲げるCAN net(キャンネット)という非営利団体に対して、プロボノとして会計面のお手伝いをしております。具体的にはクラウド会計ソフトの導入支援や経理フローの構築などに携わりました。担当の方からは「各拠点の数字の流れが整理できた」「自分たちだけではできなかっただろう」というお声をいただきました。ここで実感したのが、特に会計士は「飛び込んでみれば役に立てることはきっとある」ということです。CAN netさんに関しては特に非営利特有の知識やスキルを使ったわけではありませんでしたが、会計事務所時代の経験や試験で得た知識を活かした支援ができたと思います。「自分の持つ知識や経験を提供することでこんなに喜んでくれる人がいる」と社外でも実感できることは会計士にとって大きな意義を持つと思います。

とはいえもちろん、NPOと上場企業では会計基準も実務で求められるものも大きく異なるため、支援する団体や業務の内容によっては実務のポイントや会計基準のインプットも必要になってきます。AFCでは定期的にNPO会計基準の研修やマインドセット研修などを行なっているので、いきなり飛び込むのは不安、という人はぜひご参加ください。またプロボノ経験の豊富なメンバーも揃っているので個別に相談できる安心感も感じてもらえればと思います。

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