国税OB税理士が監修。公認会計士・税理士・会計事務所・企業経理担当、税金・会計に関わる“会計人”がいま必要な情報をお届けします!

会計人ニュース

注目キーワード

国税庁ネット公売 10年間の落札総額は48億円

国税庁では現在、平成29年度第1回インターネット公売を実施している。滞納圧縮にも大いに役立っているこのインターネット公売は、今年度でめでたく11年目を迎えた。そこで、スタートしてから10年間のインターネット公売の軌跡を追った。

差押えでは、税収とはならず

国税を期限までに納付しない場合、税務署から督促状が送付され、それでもなお納付しないときには、滞納処分を受ける。その処分の一つが財産の差押え。財産の差押えは、納税者の所轄税務署の徴収職員が滞納処分のために財産の調査を行い、「税金を納める財産があるのに納めていない」と判断された場合に行われる(*参考)。

*国税を一時に納付することにより事業の継続又は生活の維持を困難にするおそれがあり、かつ、納税に対する誠実な意思を有すると認められるときは、猶予を受けようとする国税の納期限から6か月以内に所轄の税務署に申請することにより、1年以内の期間に限り、換価の猶予が認められる場合がある。

しかし、差押えまでで未納の税金が国庫に入ったわけではなく、差押財産を換価してはじめて納税終了となる。換価とは、国が強制的に金銭に換える手続きのこと。

 

国税徴収法の壁崩壊でネット公売OKに

差押財産の換価は、国税徴収法の規定に基づき、「公売」「入札」「せり売り」「随意契約による売却」「国による買入れ」により行われるが、役所(官公庁)の公売などでは、一般の者はなかなか参加しにくく、業者のみの参加も多いことから、処分の進捗状況は決して良くはなかった。

このようななか、2004年に東京都が地方税滞納者から差し押さえた物件を民間のオークションサイトを利用して以降、追随する自治体が続々出てきた。民間のオークションサイトを利用することで手間などが省けるとともに、参加者もわざわざ公売会場に出向く必要がなく、またインターネットの利点を生かし公売期間中であれば、24時間にわたり買受申込みできるなどが評判を呼び滞納整理が進んだ。

一方、国税においては、「入札の参加に必要な公売保証金は“現金納付”であること」と国税徴収法で定められていたため、実施に扱ぎつけなかった。

しかし、平成19年度税制改正で差押財産の公売手続きの見直しが行われ、公売保証金のネット決済が同19年4月1日以降から認められたことから、国税においてもネット公売の実施が可能となった。そこで国税庁は早速、同年6月にYAHOO!JAPANの「官公庁オークションサイト」を利用して第1回インターネット公売を実施した。

【国税におけるインターネット公売の流れ】

<買受申込期間まで>
・公売参加申込期間初日の概ね1週間前に国税庁HP等に公売情報が掲載
・オークションサイトに公売参加申込期間開始時に財産情報の詳細が掲載
・公売参加申込期間内に、買受けを希望する財産ごとに公売参加申込み
・必要書類の提出
・公売保証金の提供

<買受申込期間>
・期間内に買受申込み(買受申込時点における買受申込価額以上の金額であれば、何度でも買受申込みが可能)

<最高価申込者の決定等>
・買受申込み結果がメール送信される
・連絡内容に従い手続き(落札できなかった場合は公売保証金が返還)

<売却決定>
・納付期限までに買受代金を全額納付(期限までに買受代金を納付できない場合は売却決定が取り消され公売保証金没収)

<権利移転>
・引渡し・登記に必要な書類、送料、登録免許税等費用の準備(所有権移転登記は国税局・税務署が行う)

1 2 3
ページ先頭へ