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国税庁ネット公売 10年間の落札総額は48億円

初回は1億円近い落札額を記録

記念すべき第1回ネット公売では、宝石や絵画、古美術品などの動産622点(見積価額約5690万円)が出品され、1554人が参加。鑑定書付き大粒5153カラットのダイヤモンドが966万7千円(見積価格627万円)で落札されたのをはじめ、出品された86.5%が落札され、その落札額は見積価額の1億円にも迫る9461万6千円となり、見積価額よりも66.3%も値上がった。そして、同年度第3回目では、初めて不動産等が登場。リゾート物件(会員権)を含む不動産264物件が公売にかけられ68物件(落札率25.8%)が落札され、落札価額は物件単価が高いこともあり2億3254万9千円に達した。

また、国税庁では、2010年に利用者サービスとして、同庁ホームページにある公売情報のメニューに「インターネット公売物件を条件で探す」を設け公売物件を簡単に検索できるよう見直すほか、開催回によってロードバイク自転車及び自転車用商品を108物件出品(2010年)、カワサキ「Z1100GP」やドゥカティ「PS1000LE」、バイクの部品・用品の改造で有名なヨシムラ仕様のなど限定販売やカスタムバイク22台出品(2017年)するなどの“企画モノ”的な嗜好も取り入れるなど施策を図っていることもあり、これまで出品される物件により落札額や落札率に違いは出るものの、総じて順調に推移している。

なお、実施するオークションサイトは、平成19年度から22年度まではヤフー株式会社が運営する「Yahoo!オークション」の“官公庁オークションサイト”のみだったが、その後は、楽天オークション株式会社が運営する「楽天オークション」の“官公庁オークションサイト”も併用している。

「高級車」「貴金属」から「昆虫標本」や「ブランド焼酎」「商標」まで

インターネット公売の出品物件は実に幅広く、「こんな物まで?!」と思うような物まで登場する(これまでの一覧参照)。

落札率が高いものとしては、動産では「車」や「貴金属」、不動産ではリゾート会員権など。たとえば、自動車をみると、外国車では、ドイツの「メルセデスベンツ」「BMW」が多数出品されているほか、イタリアの「フェラーリ365GT2+2」、イギリスの「ベントレー フライングスパーV8」や「ロールスロイス ファントム」など。国産車では、トヨタ「プリウス」「ヴェルファイア」、日産「フェアレディZ」、ホンダ「S800」など。貴金属では、やはりダイヤモンドが人気で、出品されたほとんどが落札されている。腕時計では、スイスの高級腕時計の「ロレックス オイスターパーペチュアル」やフランク・ミュラーの「トノウ・カーベックス シークレット・アワーズ」、フランスの高級時計ブランドのブルゲ「クラシックグランドコンプリケーション トゥールビヨン」、ロジェ・デュブイ製の世界に28本しかない「ロジェ・デュブイ TOO MUCH」も出品されている。

また、ブームも影響し出品のたびに超人気となったのが焼酎。平成23年度には、プレミア焼酎である「森伊蔵」「村尾」「魔王」「百年の孤独」が出品され、森伊蔵(桐箱入り一升瓶)が2万7千円まで競り上がったのをはじめ、全てが見積価額の2~7倍で落札された。

一方、変わり種としては、「コーカサスオオカブト」や「ヘラクレス・ヘラクレス」「ブルーマイスターツヤクワガタ」など、カブトムシ、クワガタ、蝶類など全322個体が納められた昆虫標本やエンジンなどが作動しない動かないプレジャーボート、1990年代に人気を博したロックバンド「黒船」や極真空手の「極真館」の商標権などがある。

10年間の落札総額は48億円

平成28年度で10年を迎えたインターネット公売の成果をみると、実施回数は基本的に年4回とされ、東日本大震災が発生した平成23年のみ3回だったことから合計39回行われており、その参加人数は延7万3千人におよぶ。出品された物件数は、動産2万8千物件、不動産等5千物件の合計3万3千物件。また、途中から同種類の複数の物件を一まとめで売却する方法が採られおり、その単位(区分)では、動産6千区分、不動産等3千区分が出品されている。

落札状況をみると、落札率は動産75%、不動産等31%で全体の落札率は62%と実に約3分の2が捌けたこととなる。気になる落札価額は、動産17億円、不動産等31億円 の総額48億円に達し、インターネット公売1回当たりの平均では、800物件が出品され、1900人が競り売りに参加し、その落札総額は1億2300万円となる。

(表1)10年間(平成19年~28年度)のインターネット公売状況

(表2)過去10年間のインターネット公売結果

10年間で落札額が最も高かったものを見ると、動産では、平成24 年度に出品された12.07カラットのダイヤモンド。見積価額2960万円の3倍以上となる9315万円の値が付いた。不動産等では、やはり24年度に出品された福島県の土地付建物で1億1千万円となっている。一方、出品されたものの買い手が付かなかったもののうち、落札見込みのありそうな物については、見積価額を引き下げて再度出品するケースもあり、たとえば、1938年式の「ロールスロイス フーパーサルーン」は、1400万円で出品されたが買い手がつかなかったため、980万円に下げて再出品され1100万1千円で落札されている。

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